Management

今井・金子 『ネットワーク組織論』 岩波書店

今井賢一・金子郁容 『ネットワーク組織論』 岩波書店
約20年前に書かれた本だが、今でも十分通用する非常にいい内容だと薦められたので買って読んでみた。

プレゼンは戦略をもって 」で紹介した、ジョー・ティッド/ジョン・ベサント/キース・パビット (後藤晃/鈴木潤 訳) 『イノベーションの経営学』 NTT出版とも通じる内容で興味深かった。

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networkorg ネットワークというコンテンツの上にコンテクストを見出せるというもの。
組織は必要に応じて伸縮性のあるネットワークでもってコンテクストをつくりだす。誰もが予期しなかったネットワークにより、市場の均衡を破壊し、生産活動が行われ、古いシステムが駆逐される。
組織は取引コストを節約するために情報を内包したり、情報を持つ別の組織とネットワークを結ぼうとするが、市場にある情報は動的に変化してしまう。しかし、そのネットワークの上にメッセージが乗ることで、シナジー効果が発生する。
これは、『イノベーションの経営学』 に出てくる「外部とのリンケージ」と同じだと思った。

また、ネットワークの中心に発生したパワーがリーダーの源泉。パワーが適切に使用され、メンバーが承認したときに、それまでの水平的な関係が垂直的な関係に転化したことを意味するというところも、「あーなるほど」と思った。

MBA取得をめざすのに良い時期

MBAの取得をするなら独身のときにしておけば良かったかな、と思ったこともありますが、総合的に考えれば私にとって今が一番よい時期ではないかと思います。

20代はただがむしゃらに仕事上必要なITスキルを身につけることに専念しました。その時点で経営についての経験はほとんどありませんでしたから、勉強をしてもそれほど多くのコンテクストは得られなかったでしょう。

30代に入ってからまじめに英会話を学ぶことに多くの時間を使いました。最低でも毎日2時間くらいはやったと思います。そして英語でコミュニケーションがとれるようになってくると、海外での仕事にチャレンジしたい、アメリカのビジネスを見てみたいという気持ちが沸いてきました。
しかし、いきなり例えばアメリカへ行ってもすぐに就職できるわけではないし、私はマネジメントに興味がありますから、それじゃMBAを取りにアメリカかイギリスへ行こうかとも考えました。MBAと英語の勉強を両方同時にできるのではないかと思ったからです。
また、実際に経営関連の本を読むたびに、実務上のマネジメントと非常に強くリンクする経験が多くありましたので、これはもっと勉強がしたいな、と思いました。
でも私にとって家族と仕事は最優先ですから、仕事をやめて学校へ行くという選択肢はありません。学校へ行くなら働きながら、です。

今は子どもはまだ0歳ですが、今後は年を増すごとに、いっしょに遊んだり、話を聞いてあげたりする時間もより重要になってくると思います。今ならまだそんなに一緒に遊べないですから、本を読む時間が比較的たくさん取れます。

そこで、日本にも英語でMBAの講義を行うところがありますからそこも検討しました。しかし、いくつかMBAの学校を見学したり、自分でも勉強をすすめるうちに、日本語の学校の方が、自分にとってメリットがあると判断しました。
理由は2つです。
1つめは、日本語による講義、討論の方が理解が深い。
2つめは、日本の経営環境には優れたところがあるから、日本の経営についても学びたい。
ということです。

人それぞれ適した時期があると思いますが、私にとってはこの今が良い時期だと思いました。

コンテンツとコンテクスト (by 原田)

MBAクラス ビジネスモデル論で、原田保 『組織能力革命』 同友館、今井賢一/金子郁容 『ネットワーク組織論』 岩波書店 あたりを使って、組織能力 (Capability)についてプレゼン+討議を行いました。

今回は経営の分野では聞きなれない単語が多く、本を読むのも辛かった。。。キーワードは Synchronicity、Improvisation、Receptor、Genetic、Trigger、Leverage、CSR の7つ。

私にとってためになったのは、CSR。
CSRとは、Corporate Social Responsibility。企業の社会的責任を問う内容。CSRという言葉はちょくちょく聞きますがいまひとつ腹に落ちませんでした。でもこの講義でよく理解できました。

クラスにシャープで働いている方がいらして、シャープのCSR取り組みについてプレゼンしてくれました。シャープでは、太陽光発電の技術があるから、それをたくさん売ることで企業のCO2排出量を上回る発電量を実現することが目標だということでした。
また、CSRに反する事例としてNIKEの下請け会社が子どもを工場で働かせて利益を搾取していたことがあげられました。その会社の行動だけではなく、取引先をも含めた企業の行動が問われます。取引先をよく調査監督しないと、不買運動などのリスクが発生します。

さて、ここまではわかりました。いかに社会貢献するかということです。
でも企業って社会貢献して成り立っているものではなかったのか?という新たな疑問。問題はその裏で大量消費や略奪により成り立っているケースがある、ということです。表向きは人のため社会のためといっておきながら、裏では大量の石油を使ったり、大量の産業廃棄物を海に捨てていたり、後進国で過酷な労働を強いていてはCSRを果たしていないということですね。

まとめますと、企業が提供する製品・サービスはコンテンツ。そのコンテンツにコンテクストを乗せて世にだすことがCSR。例えば、世界Shareを1番とるということ自体がCSRを果たすことになります。

スモールワールド・ネットワーク

例えば有名人など、一度でいいから合って見たいという人はいますか?
もしいるなら会えます。しかもあなたの知り合いの紹介があれば会えます。

まず、あなたの知り合いの中で、その会いたい人にもっとも近そうな人を考えます。そしてその人に、また他のもっとも近そうな人を紹介してもらいます。そのように紹介を6回繰り返せば会えるそうです。

なんと世の中は狭いもので、これを「スモールワールド・ネットワーク」といいます。ダンカン・ワッツとスティーブン・ストロガッツという2人の数学者が1998年にネイチャー誌に発表した論文です。あなたから6人のリンケージで世界中の人に辿れるというものです。
よく、口コミの効果の大きさが話題になることがあります。
悪い評判と、すごーーーーーくいい評判は口コミで伝わりやすいですね。ちょっとでも悪いことはすぐ他の人に伝わるけれども、ちょっとくらいの良いことではなかなか伝播されません。でもすごーーーーーーく良い、気分の良い、感動する経験はバーと広がります。
ということで、これの応用としては、多くの人に満遍なく90%の満足感を与えるよりも、ほとんどの人は85%くらいの満足感で、ときどき6人くらいまで伝播するような120%満足感の経験を顧客に提供すれば、世界中の人に伝わる、といえるかもしれません。(念のため、満足感の数字に根拠はありません。。。)

あるデパートでの話です。
お客様が「新品のタイヤなのに不良品だった」ということで返金を求めたそうです。それを聞いた店員はすかさずお客様の求めに応じたそうです。お客様はお金を受け取り帰りました。
しかし、そのデパートではタイヤは販売したことはなかったそうです。

この話題は多くの本で目にします。このように衝撃的な話は多くの人に伝播するものです。