Human Resources (人材)

ブックルックチームにおける各メンバーの存在意義は編集作業だ

ブックルックチームでの各自の存在意義について考えてみよう。
あなたがチームに所属している理由は、または意味は何なのか。
理由はとても簡単で、他の人から必要とされているからだ。
だから、他の人があなたに期待していることに応えることが仕事となる。
では、期待されていることとは何だろうか。それはあなたの「編集」だ。
「編集」とは、入ってきた情報に手を加え、出力することだ。
「え?情報を書き換えていいの?」と思ったかもしれないが、ブックルックチームではそれを期待しているのだ。もちろん、意図的にフェイクに書き換えてはならないし、「ですます」を「である調」に書き換えるだけでは意味がない。

事例をあげて編集とは何かを考えてみよう。
1つめは、編集をしていないケースだ。他の人の期待に応えていない事例である。
あなたの友人が、引っ越ししようと新しいアパートを探しているとしよう。あなたは一緒に探してあげようと言い、あなたの知り合いの不動産屋さんに友人の希望を伝えた。間もなく10件くらいのアパートの情報をメールでもらい、そのメールをそのまま友人に転送した。
これはただメールを転送するだけの「作業」だ。メールソフトにあらかじめ転送する設定をしておくのと同じだ。
編集を加えるなら、得た情報を自分なりに読み込み、検討することが必要だろう。そして比較し易いように物件一覧を作成し、メリット/デメリットがわかる様にしてから友人にメールを送ることが、一緒に探すことになる。

2つめの事例は、編集を行ったケースだ。
1年間に実施した複数プロジェクトの評価をプロジェクトオーナーであるチームリーダーが行い、あなたはそれを集約して上司に報告することを求められたとしよう。
チームリーダーからもらった評価をコピペして1つの表にまとめただけでは、ただの「コピペ作業」になってしまう。
あなたが編集者として行うべきは、つまりあなたの上司の期待は、チームリーダーのプロジェクト評価は適切かどうかを確認したり、良かった点や改善すべき点が一目でわかるようにすることであろう。

仕事には必ず、依頼する人とされる人がいる。依頼する人はお客様だけでなく、上司、部下、同僚、パートナー会社の人など多方面にいる。
あなたの編集により、依頼者の仕事が効率化され、質が向上し、新しい気づきやアイデアから創造されることもある。

ロボットやAIにはまだ編集はできない。人間の持つ大きな力である。

未経験者の就活は志望動機をしっかり書こう

ブックルックチームでは、仕事に対する「能力」、業務完了までの「過程」、業務完了後の「成果」を評価しています。なので、ブックルックチームの人事担当者がもっとも知りたいことは、具体的な経験や実績です。経験者であれば、履歴書や職務経歴書に実績や経験を書くことは難しくないでしょう。
しかし、未経験者は書くことができません。ですから志望動機でのアピールが大事になります。なお、志望動機でのアピールといっても「やる気は人一倍あります!」というものではなく、仕事に対するモチベーションや思いをがあると思いますので、そこを書くことです。
一方、採用担当者にとっても、実際に仕事を任せてみないとわからないのが実情です。だからといって「とりあえず採用してやってみてもらおうか」などというわけにはいきません。目標にどのくらい執着してやれるのか、しっかり見極めてお互いが不幸にならないようにしなければなりません。 その見極めの手がかりが履歴書です。

もちろん、履歴書が採用判断のすべてではありません。面接も必要です。
面接では、聞かれたことに瞬時に考え、簡潔に間違いなく説明しなければなりません。どんなに準備をしても限られた時間で自分を上手に説明し尽すことは、よほどの才能がない限り難しくはないでしょうか。人となりをそのまま引き出すことが面接の目的ですから、流暢に話しできなくても、それで私は良いと思います。人事担当者が理解できるように話そうとしたか、話せたかなどを総合的に判断させていただいたおります。

話は戻りますが、履歴書は応募者にとってもっとも都合の良い自己表現の機会です。
なぜなら、十分に時間をかけ、よく考え、理解し易い文章で記述することができるからです。 面接とは正反対です。
あえてもう一言付け加えると、十分に考え抜かれた履歴書でも、それが伝わらないと意味がありません。
次に、私なりの履歴書の書き方をアドバイスしたいと思います。

履歴書の左半分は自分の「外見」、右半分は自分の「内面」を書くようになっています。

「外見」とは、これまで自分が属していた学校や会社などを時系列に説明します。人事担当者はそれまでの軌跡を想像を働かせて読み解こうとします。
「専門学校を卒業後、営業職を5年やっているな。働きながらプログラミングスクールに通っているな。なかなか骨がありそうだな」とか。
また別のケースでは、、、「4年制大学卒業後すぐに就職したものの、数カ月で次の会社に転職しているな。そしてまた1年数カ月で転職か。入社前後で思っていたのと違ったのか、何か問題があったのか。。。 当社に入社してもまた同じような状況になったら嫌だな。」とか。
良い悪いというようりも、会社にマッチするかどうかを考えます。

このように「外見」からブックルックチームとマッチするかを探る第1歩となります。採用しようという人がどんなに優秀でも、 ブックルックチームと合わない場合はお互いが不幸になりますから採用しません。
なお、この合う、合わないとは、これまでのお互いの成功体験についてどれほど共感し合えるかで判断できます。どうやって成功することができたのか、面接で是非お話いただき、またブックルックチームの話もお聞きいただき、判断していただきたいと思います。

次に「内面」に移ります。履歴書の右側には、取得資格、趣味、志望動機などを記載します。
資格欄では、何に興味を持ち、どのくらい努力しているのか判断できます。
「応募してきた職種については未経験ではあるものの、1年前から関連する資格取得をしているな。本気でこれまでと違う世界に飛び込みたいんだな。」とか。
または、「新しいことをやりたいという気持ちはあるようだが、まだ具体的な行動には至っていないようだな。」ということが伝わります。

趣味についても人となりを表現するチャンスです。仕事以外に一所懸命に取り組んでいるものがあれば、それもアピールするとよいでしょう。万が一、仕事に支障が出る恐れがあるような趣味であれば、それも素直にあらかじめ記載しておくことも誠意のある行動だと思います。
ちなみに、私が20~30歳くらいのときの履歴書の趣味欄には「仕事」と書いてありました。本当に仕事が好きだったので。。。むしろ仕事以外何もありませんでした。休日もパソコンのキーボードをたたいてました。人によってはさみしい人だな、と思われたかもしれません。

そしていよいよ本題の「志望動機」です。
採用担当者は履歴書の「外見」からブックルックチームと合う、合わないを推測し、同じく履歴書の「内面」でその人の興味だけでなく、行動力、実現力、継続力などを推し量ります。そしてそれらのモチベーションとなっているものは何なのかに関心が移るのです。

志望動機の例としては、 「あなたは紺色が好きなようですね。私も紺色が大好きなんです。紺色のモノを見ていると心が落ち着き、頭がすっきりします。仕事に集中できるだけでなく、創造的なアイデアが湧いてきて、いろいろ試すことが多くあります。」というものです。これは紺色好きのモチベーションが書かれています。履歴書には不相応ですが、例を説明するために分かり易い内容にしてみました。

例の冒頭では、私(求職者)があなた(求人・会社)をどう思っているかが書かれています。あなたは紺色が好きですよね、と。
会社をどのように見て、どこを取り上げるかは人それぞれです。思想や経験によりさまざまあるでしょう。だからこそ、採用担当者はここに大変興味があります。応募してきた方がブックルックチームのどこに着目し、どうして志望したのか。また、当然、採用に応募する前に会社のことを調べてきているはずだと思っています。

しかし、未経験者は応募しても面接まで至ることが少ないため、手当たり次第に応募しているケースも見られます。そのため、応募する会社のことをほとんど調べずに、汎用的な志望動機を記載した履歴書を送っています。
毎日何枚もの履歴書に目を通している採用担当者にはそれはすぐにわかります。

また、「大企業で安定している」「世間に注目されるサービスがある」「優秀な社員が集まっている」「働き方に柔軟性があってリモートワークができる」「福利厚生が充実している」という内容も、思うのは悪いことではありませんが、相手に自分を伝えるためのツールである履歴書の志望動機欄にはふさわしいとは言えません。
それは、give and take の take、つまり自分が得ることに着目した内容だからです。
話しを広げたい(書類選考から面接に進みたい)なら、give につながる会社の特徴を取り上げるとことがポイントです。
よくある分かり易い例では、「成長段階にある御社にとって、大型プロジェクト経験が10年以上ある私が貢献すべきことがたくさんあると思い志望しました」とか、「ベテランが大勢いらっしゃる御社にとって、営業で鍛えられた明るさで職場を活気づけられると思い志望しました」などです。

次に、未経験である私(求職者)ができるようになれると思う理由を書きます。
どんなに会社にマッチしても、仕事ができなければ悲しい結果になってしまいます。採用担当者はできるかできないか、できそうならどのくらいの期間で求めるレベルに達成するか、最悪でも出来なかった場合に他の仕事を任せられるかを確かめます。

やはり、全く見たことも触れたこともないのに、すごいと思ったからとか、やってみたいと思ったから、といった漠然とした理由ではできる、できないがわかりません。
少しでも実際にやってみることが大事ではないでしょうか。
プログラム開発であれば、どのくらいの時間でできたのか、何を何時間かけたのか記録しておくと大変すばらしいと思います。
やってみれば、自分でできるかできないかわかりますし、説得力も出てきます。
例えば、「お問い合わせフォームを2週間かけて開発し、自分でもプロとしてやっていける自信を持ちました。書籍を読みUIにも興味を持ちました。」となれば、できそうかどうか判断もできますし、プログラム開発ができなくてもフロント系の仕事を任せることもできそうだと思われるでしょう。

次に、頑張れる理由を書きます。
未経験者にとって、入社後はいばらの道です。一緒に仕事をする仲間に1日でも早く追いつかなければなりません。いつまでもお荷物ではいられません。
やるべき仕事がたくさんある上に、1つずつ時間もかかるでしょう。帰宅してから自習をすることも欠かせません。
なぜ、そんな努力をしてまでも未経験の職に就きたいのでしょうか。その思いを、またはやりたいと思ったきっかけなどを書くとよいです。

最後に、「御社に就職できたら精一杯頑張ります。いろいろ教えてください」とか「仕事を通して学びたいです」は社会人として好ましくありません。それなら学校に行ってください、ということになります。
会社は生産の場です。未経験者であっても何かを産み出し、その対価として給料を得るのです。先述したgive and take です。take、take、takeでは採用したくてもできません。
未経験ですから入社当初はできないのは仕方がないです。
だからこそ、90日後を目安にどのくらいできるようになりたいか、学習は自宅でできる準備ができているのか、といったことを考えると、自然と「教えてください」から「貢献します」になると思います。

ブックルックチームでは、プログラマーやシステム管理者を募集しています。是非チャレンジしていただきたいと思います。

20代を振り返ってみたら、1割の頑張りで仕事が楽になっていた

継続的に成果を出しながら働く秘訣は10~20%だけがんばること。ずっとがんばり続けたらきっと体を壊すに違いない。だけどがんばらなければ昇格、昇進、昇給は手に入らない。
長く楽に成果を出し続ける方法を、小山内の20代前後の経験を通して紹介。
20代向けコンテンツ。

ニイゼロ ウェビナー(2020年12月31日終了予定)をご覧ください。

これから社会人になろうとしている20代の方向けにお話ししました。
私の20代前後の時の話しです。
私が社会人になってからのことを振り返れば、ずーっとがんばり続けてきたわけではありません。
かといって、6割とか8割とか、適度に力を抜きながらやってきたわけでもありません。

頑張れるときに徹底的にやりました。
その徹底的にやる期間は1~2年間だけです。
いつもいつも徹底的にやり続けることはできません。
頑張りたい気持ちがあっても、10年間で1度、1~2年間が限界でした。
それだけですが、そのおかげで仕事をとっても楽にできた経験を何度もしました。

仕事上でいちばん辛いのは「わからないこと」。
「わからない」だけなのに苦の連鎖が始まってしまう。


どうしたらいいのかわからない、どういう意味なのかわからない・・・
わからないから誰かに相談したいんだけど、周りに教えてくれる人がいない・・・
わからなくて放置しておくとお客様や上司に何とかしろと言われる・・・

「バカヤロー!」

反対に、楽な仕事は「わかっていること」をやるとき。

どうやったらいいかわかっている仕事。
答えがわかっている仕事。
以前やったことがある仕事。

多くの方はやるべきことをやっていれば、仕事の中で充分に「わかっていること」は得られると思いますよね。確かにその通りです。
でもそれは普通。普通とは他のみんなと一緒ということです。
みんなと一緒の場合、プラス マイナス ゼロの結果で、会社では昇進、昇格、昇給のチャンスは基本的にありません。
ベースアップは見込めるかもしれませんが。
特に私は同僚よりもITに関する知識が少なくマイナスからのスタートでしたから、毎日仕事の中で頑張り続けてプラス マイナス ゼロの評価でした。

「俺は資料屋さんじゃないんだ!」

「わかっていること」を増やせば仕事は楽にできます。
普通に仕事をやっていれば「わかっていること」は増えますが、他の同僚も一緒に成長するわけですからプラスの評価は得られません。
だからこそ、短期間でもいいから頑張ることが役に立つのです。

私は1年間だけ徹底的にやったことで、次の10年分の「わかっていること」を先回りして増やすことができました。

次に、何を徹底的に頑張るかが大事です。
徹底的に頑張るべきことは、自分が今、任されている仕事です。
または、その仕事に関することです。
今やっている仕事をもっと効率的にできる方法があるはずです。
身近に関連する仕事があるはずです。
さらに身に付けるべき知識や技術があるはずです。
業界や他社の動向を調査して参考にできることがあるはずです。
いつも他の人にやってもらっていることを自分でできるようになってもいいはずです。

トロフィーや賞状は持ってるけど、なんで?!

就職する前の方なら、自分が好きなことで、確実にできることで、社会で多くの人が必要としている、または実際に利用していることです。

まず、好きじゃなければ頑張れません。いい給料がもらえなかったとしてもやりたいこと、それが好きなことです。
そしてその好きなことを自分が確実にできることです。「やってみたい」だけではだめです。
最後に、好きだけじゃ仕事になりませんから、 社会が必要としていることも大事です。

例えば、歌が好きだから歌手になろう、と言っても多くのファンがいなければ仕事として成立しません。
コンピューター プログラマーになりたいと思っても、プログラムを1行も書いたことがないのなら、本当にできるかできないかまだわかりません。
起業して偶然うまくいくことがあっても、経営を理解して実行できなければ長続きはしません。

仲間由紀恵さんが表紙の雑誌にも!

このように考えてしまうと、「自分の好きなことで社会の役に立つ」というのは夢のような話に聞こえるかもしれません。
でも、それはひとりひとりの足もとにあるのです。
あなたが持って生まれたもの、今までやってきたこと、今まで巡り合ってきたこと・・・それらはすべてあなたが社会で役立つために用意された運命なのです。

改めて今、自分が何を頑張ったらよいか、足もとを掘ってみましょう。そこにきっと泉が湧くはずです。

最後に「また出たよ!」

マイホーム、家賃払いながら頭金を貯めてから買うよりも、今すぐ買った方がいい?

この写真のチラシは某不動産物件サイトから送られてきたものです。
この中では、マイホームをいずれ購入するつもりなら、若いうちに手に入れた方がお得で、4500万円の新築マンションを例に、30歳と40歳とではファイナンス的に1000万円も違うとありました。

本当にそうでしょうか。


頭金なしで4500万円借金してマンションを購入し、家賃を払わなくてもよくなった30歳。
10年間家賃を払い、その間に頭金850万円貯め、3650万円借りてマンションを購入した40歳。
どちらがファイナンス的に優位な結果をもたらすのでしょうか。

結論を急ぐと、より現実に即したオプションとリスクを考慮すれば、必ずしも若いうちに購入した方がお得とは言い切れません。
借金はできるだけ小さく、短い方がキャッシュアウトは少なくなります。
お金だけじゃなく、価値観、家でやりたいこと、ライフスタイルなどを含め、どちらがよいか決めることが大事です。

マイホームと賃貸、どちらがよいかシミュレーションしても、変化の少ない人生であればキャッシュアウトに差がありません。
ただ、マイホームは夢を買う代わりに、地震や火災などで失うリスクを抱え、住む場所を変えられない、という人生における選択肢を狭めるというデメリットがあります。
それらをリスクとして計算に加えれば、マイホームの方が高くつくことになります。

ファイナンス的に新築マンションはできるだけ早く買うべきか試算

ここではお金のことだけを考えて、本当に若いうちにマイホームを手に入れた方がお得か検証してみたいと思います。

なお、諸条件は次の通り。
・家賃は月13万円、2年ごとの契約更新で更新料1か月分支払う
・借金の利息は年率1.6%、65歳で全額返済する
・住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)を利用する
・マンションの管理修繕費は年間36万円
・100歳まで生きるとする
・世帯主の生涯平均年収は約760万円とする
・このチラシには固定資産税、都市計画税、不動産取得税の考慮が入っていませんでしたのでそれも加えます。

30歳、新築マンションを購入

まず、30歳で新築マンションを購入すると決めた人の場合。
毎月の支出を13万円にしようとすると借金返済は元金と利息を合わせて10万円、管理修繕費を3万円となり、住居に関する合計費用は 9594万円になります。
問題は65歳時点の借金残高が2271万円もあることです。

(30歳で借金して新築マンションを購入し、65歳で返済する場合)
マンション 4500万円
利息    2008万円
管理修繕費 2556万円
固定資産税  800万円 (*8)
その他    130万円 (*1,*2,*7)
ローン減税 -400万円
——————-
合計費用 9594万円

65歳で約2300万円も残っているローンを返済できず、75歳までローン期間を延ばすと利息は2294万円となり、合計費用は9880万円になります。
75歳時点の借金残高は1274万円です。
ここですぐにわかる通り、借金の期間を10年延長したら利息が約300万円増えてしまいます。

(30歳で借金して新築マンションを購入し、75歳で返済する場合)
マンション 4500万円
利息    2294万円
管理修繕費 2556万円
固定資産税  800万円 (*8)
その他    130万円 (*1,*2,*7)
ローン減税 -400万円
——————–
合計費用 9880万円

40歳、新築マンションを購入

次に10年間賃貸で暮らし、その間に850万円の頭金を準備し、新築マンションを購入した40歳の場合を見てみます。
利息は30歳の約半分になり、合計費用は9897万円になります。
65歳時点の借金残高は1683万円です。

(40歳で借金して新築マンションを購入し、65歳で返済する場合)
賃貸    1612万円 (*5)
マンション 4500万円
利息    1180万円
管理修繕費 2196万円
固定資産税  600万円 (*8)
その他    103万円 (*2,*3,*7)
ローン減税 -294万円
——————–
合計費用 9897万円

30歳購入とと40歳購入の比較

費用の比較

新築マンションを購入した30歳と40歳とでは、40歳の方が300万円費用が多くなるように見えますが、実際にはほとんど変わりません。
次に説明するリスクと、住宅ローン減税を考慮するとわかります。

リスク(不確実性)の削減

30歳で購入したマンションですが70年間もち続けられるのでしょうか。
日本の鉄筋コンクリート造の歴史では今のところギリギリ。耐久性の問題から取り壊しになり、人生最後の10~20年間は引っ越すことになってしまうかもしれません。
そのリスク、不確実性は差額のマイナス300万円で買ったものです。
言い換えれば300万円多く支出すれば、このリスクを半分より小さくすることができます。

住宅ローン減税の有効活用

住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)とは、借入残高の1%分(最大40万円)の所得税を減らしてくれる、というものです(令和3年12月31日までに購入する場合)。
そして所得税をたくさん納めている人ほどメリットが大きい税制です。

実は今回の例にはお得に見えるようにするためのトリックが隠されています。
この減税を最大限使えるように「生涯平均年収を760万円とする」としているのです。760万円も稼いでいれば、400万円(40万円×10年)の削減効果があります。
でも、30歳でこの年収の人ってほとんどいないです。
しかし、年齢が上がれば年収は増える傾向にありますから、30歳よりは40歳でマイホームを購入した方が減税効果が大きくなります。

なお、 年間の所得税額は、月収40万円で23万円、月収50万円で40万円程度です。

中古マンションというオプション

さらに、新築にこだわらなければ中古というオプションがあります。
築10年の同じマンションなら15%安く、2975万円で購入できるでしょう。
しかも、頭金850万円があるので借金は約3000万円で、65歳で借金残高はゼロ円になります。

住宅に関わる合計費用は8149万円で、30歳で新築マンションを購入する場合と比べて1500万円は安く済みます。
1500万円の余裕があれば、マンションが築40年になったときに売って新しいマンションに引っ越すというオプションも持てます。

(40歳で借金して中古マンションを購入し、65歳で返済する場合)
賃貸    1612万円 (*5)
マンション 2975万円
利息     819万円
管理修繕費 2196万円
固定資産税  600万円 (*6)
その他    174万円 (*4,*6,*7)
ローン減税 -227万円
——————–
合計費用 8149万円

結論

緻密な人生設計よりもライフスタイルを考えることが無駄の少ない住居選びになるでしょう。
人生設計なんて、絶対に思ったようにできません。なぜなら自分一人だけじゃないからです。家族、親族、友人知人の影響を受けながら生きていくので、その通りにはならないのが世の常です。
一方、ライフスタイルとは、変化を好むのか、ずっと同じ場所に住み続けたいのか、ガーデニングしたいとか、キャンプなどのアウトドアをたくさん楽しみたいなどを意識することです。そのライフスタイルの中でマイホームが必須であれば家を買えばいいし、若くして買っても、年取ってから買っても、賃貸に住み続けてもファイナンス的にはほとんど違いはありません。
不動産は常に適切な市場価格で取引されているためです。

求めるライフスタイルと合わない買い物をしてしまうと、大きな損失につながる可能性がありますから、そこだけ注意して、ローンや減税など使える制度は上手に使うことがポイントです。

注記
*1: 住宅ローン4500万円のための信用保証料は借入額の2%とすると90万円。
*2: 新築マンション購入時の修繕積立金は30万円
*3: 住宅ローン3650万円のための信用保証料は借入額の2%とすると73万円。
*4: 住宅ローン2930万円のための信用保証料は借入額の2%とすると59万円。
*5: 賃貸でかかる初期費用(敷金、礼金、仲介手数料)は40万円。
*6: 中古マンションの仲介手数料は105万円。
*7: 不動産取得税は10万円程度。
*8: 固定資産税は、年20万円から10年ごとに3万円ずつ段階的に減少させ、築40年以降は6万円に固定。

賃貸物件