小山内 裕

情報伝播において弱い紐帯が利点を持つ

1月26日に修士論文の提出をしましたが、ちょうどその1ヶ月半くらい前は、常時からだが緊張状態にあったのを覚えています。無意識のうちに修論をどうしようかと考えてしまっているようでした。心拍数がいつもより高く、手先が冷たくなっていました。常に、です。
なぜなら、当時は、テーマは決まっていましたが、具体的に書く内容がまだ決まっていなかったからです。それというのも、私の仮説を証明する強い材料がなかったためです。

そんなときに、先生に1時間もアドバイスをしていただきました。中でも、後になって非常に身になったことは、「個人的な知り合いにあたって5~10社くらいインタビューをしてみたらどうか」ということでした。
このときは締め切りまであと1ヶ月くらいでしたから、崖っぷちに立たされているという心境で、手当たり次第コンタクトを取りました。

ゴールまでの道筋が見えたのは、12月26日に行ったインタビューの後でした。
実は、その前にも何人かインタビューらしきものはしていましたが、「これだ」というものは得られませんでした。ですので、このときもあまり期待はしていませんでした。ただ、その方は私の知り合いの知り合いで、せっかく時間をとってインタビューに応じてくれるのでベストは尽くしました。
帰りの電車の中で、インタビューの内容を何度も思い返しながら考えました。そのときに「これだ」というものを得られたのです。

グラノヴェターの『転職』と同じでしょうか。それまでの知り合いのインタビューよりも有益な知識を獲得することができたのです。実はこの後でもう一波乱あるのですが、ここでのこの1歩は非常に大きなものでした。
Mark Granovetter (1995) “Getting a Job: A Study of Contacts and Careers,” University Of Chicago Press. ( 渡辺深訳 (1998) 『転職―ネットワークとキャリアの研究』 MINERVA社会学叢書 )

修士論文チャート

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これは、株価のチャートではありません。
修士論文の進捗をファイルのサイズで表したものです。

毎日バージョン管理の為に、コピーしてとっておきました。
そのサイズをグラフにしてみたら、見事にその時々の状況を表していました。

今日の午後提出してきて終わりです。

修士論文提出まであと2週間

修士論文提出まであと2週間。ここで、構成を少し変えることにしました。結論を一歩前進させたところに持っていくためです。構成を変えたため前後関係のつなぎ合わせに苦労しております。

たった2年の勉強でオリジナリティを出せといわれても、そう簡単に出るものではありません。先人の多大なる研究の少し先を行けばよいといいますが、1つの先行研究を理解するだけでも大変です。

正直に申しまして、私の結論がオリジナリティがあると判断されるのかどうかわかりませんが、もう時間もないので、やれるだけやろうと思い、変更したところです。今13ページ。50枚くらいでまとめようと思ってます。

大学時代の恩師に再会

僕は今日、大学時代の恩師に偶然再会した。
あれからもう10年以上経っているが、少しも変わっていなかった。
むしろ変わったのは僕の方であると実感した。しかも、良い方向にではない。

ちょうど今、修士論文の追い込み中で、ようやく靄の向こうにゴールが見えてきたところだ。
渾身の、私の持てる力のすべてを出し切った論文。もうこれ以上のものは当分書けない。そう思っていたところだ。
そして時々、「学部の時にも卒業論文を書いたな。」と思い返し、「少なくともあの時よりも随分と良い出来のはずだ。学部時代の僕よりも劣っているはずはない。社会経験だって積んだ。」、と。

恩師と再会したのは、パソコンのデータを整理していたときだ。
かの卒論がでてきたのである。私は自分の成長を確かめるべく、10年ぶりに読み返したのだ。
すぐに、今書いている修論より優れていることがわかり愕然とした。
明らかに学部生の僕のほうが勝っている。
何度も読み返しながら、これは私の文章とは思えない。我ながらすばらしい、と思ったほどだ。

次に思い出した。恩師の厳しい指導があったことを。
つまり、卒論は恩師の指導の賜物だったのである。
僕は卒論を何度も読み、その向こうに見える恩師の姿を、はっきりと見た。

もう80歳を超えているはずだ。修論を書き終えたらお礼をしに行こう。
労務管理論の関口功先生。