小山内 裕

東京都 市区町村別 コロナ感染者数データ参照上のご注意

コロナ感染者データ分析の狙い

新型コロナウイルス感染について、「正しく恐れる」「正しく行動する」ためには個人個人が考え、決断し、行動することが必要不可欠だと考えています。

次に、社会全体が「正しく恐れる」「正しく行動する」ためには、個人個人の行動だけでなく、社会を構成する人々における情報の非対称性をなくすことが必要です。
さもなくば、ネットの噂に翻弄されたり、声の大きな人の間違った意見に流されてしまったりと不幸な結果を招いてしまいます。

敵(新型コロナウイルス)にはリーダーはいません。傭兵的に1つ1つのウイルスが持てる能力を最大限に発揮しながら活動しています。
そんな敵の攻撃に政府など中央の指示を待って行動していたら対応は間に合わないでしょう。個人や地域単位の特性に応じた行動変容が必要でしょう。そのためには、正しい情報を持って、考え、決断し、行動することだと考えます。

補足:情報の非対称性による弊害について「新型コロナウイルス 東京都 市区町村別 感染者数 分析」も参照してください。

データはだいたいを表しています

東京都から発表されたデータで、「東京都ホームページ 報道発表」を引用しています。
「都外」、「調査中」は該当自治体が不明のため含んでいません。
毎日発表される都内患者数と、その日の市区町村別患者数の合計は一致しません。市区町村別患者数の合計の方が少ないです。

東京都内で検査を行ったものであり、他の道府県で検査が行われた都民については含まれておりません。
八王子市ホームページより)

各市区町村でも同様に公表していますが、東京都の発表と数字が一致しない場合があります。
例えば、練馬区では住民基本台帳登録者のみを集計しており、都外発生(他県で検査を実施)を含みます。
練馬区ホームページより)

各市区町村ごとの新型コロナ感染に関する情報

居住または仕事などで行き来する市区町村の情報はこまめにチェックしましょう。東京都発表のデータはそれに比べたらおおざっぱです。
以下に各市区町村の新型コロナウイルス感染に関するホームページを紹介します。

区部より市部での感染拡大が目立ってきた(東京都 市町村別感染者数データから)

東京都が発表しているデータをもとに、市区町村別に新型コロナウイルス感染の増加率を分析してみました(2020/4/7~4/14)。
それまでは区部での感染拡大が顕著でしたが、市部での広がりが目立つようになってきました。

東京都の新型コロナウイルス感染者数について、1週間前と比べて増加率が1.4ポイント下がりました。しかし、まったく油断はできません。これは偶然でしょう。
3月31日 521人
4月7日 1,338人( 3月31日から 2.6倍)
4月14日 2,319人(4月7日から1.7倍)

なぜならば、3月最後の日曜日は都内は朝から雪が降ったため、外出する人が少なかったことが幸いしていると思われるからです。おそらく、雪が降り続けない限り感染の拡大率は下がらないのかもしれません。

さて、東京都の市区町村別の新型コロナウイルス感染者数を見ていきましょう。

ゼロから発生した市区町村

国分寺市、国立市、多摩市は、ここまで感染者ゼロで頑張ってきたのですが、とうとう発生してしまいました。
残るは、福生市、日の出町、奥多摩町、楢原村、諸島部です。周りの市区町村から感染者がやってこないことに期待したいです。

この1週間、増加率の高かった市区町村

冒頭でも述べましたが、東京都は降雪のために全体の感染者の増加率が下がったにも関わらず、増加率を高めた市区町村もありました。
この中で今後注意が必要なのが、文京区と墨田区です。人口1万人あたりの感染者数が1人を超えています。
府中市(0%→1300%)
清瀬市(0%→500%)
立川市(0%→300%)
東久留米市(100%→200%)
東村山市(0%→200%)
文京区(100%→188%)
江戸川区(100%→169%)
墨田区(120%→155%)

市区町村別の新型コロナウイルス感染者の増加率(4月7日から14日まで)

行くべきではない市区町村

1週間前から相変わらず、人口1万人に占める感染者数の多い市区町村です。
港区(6.24人)
新宿区(5.09人)
渋谷区(3.13人)
目黒区(2.56人)
品川区(2.33人)
台東区(2.32人)
中央区(2.31人)
世田谷区(2.23人)

人口当たりの感染者数マップ

3月31日から1週間ごとに、人口あたりの感染者をマップで表しました。

人口1万人あたりの新型コロナウイルス感染者数(2020/3/31)
人口1万人あたりの新型コロナウイルス感染者数(2020/4/7)

※本データの参照にあたって、「東京都 市区町村別 コロナ感染者数データ参照上のご注意」をお読みください。

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新型コロナウイルス 30歳代と接するときは気をつけろ!

東京都の新型コロナウイルス感染者の属性を分析してみました。
まず、20~50歳代の感染者が飛び抜けて増加していることがわかります。
次に、ピンポイントで対策するのであれば、30歳代の感染防止策が必要でしょう。30歳代は同年代の間で感染を広げており、次に20歳代へ感染を広げる可能性があるのではないかと思われます。

1月下旬に武漢からやってきた男女3人の新型コロナウイルス感染が発覚してから約2週間の沈黙の後、70歳代を中心に感染が広がりました。
次に50歳代へ広がり、3月下旬には40歳代が一番多くなりました。

4月に入ると40歳代と30歳代が高い増加率で均衡を続けますが、まもなく30歳代が飛びぬけ最も感染者数が多くなりました。

30歳代はトップに立つとその勢いを増し、圧倒的な地位に就いたように見えます。
ここまでを見ると、社会の中で接する年代へ感染しているように見えます。年代の高い人から低い人へと順に感染が広がっていったことが推測されます。

この順番に従えば、次に注意すべきは20歳代の方々です。
特に30歳代の人と接する場合は、これまで以上に感染しないように注意が必要です。

東京都の年代別の人口で見れば、30歳代が198万人で40歳代が226万人です。30歳代は40歳代よりも1割少ないのに、感染者数では1割多くなっています。
30歳代は新型コロナウイルス感染者のリーダーです。
30歳代の方は自覚しているよりもっと慎重に行動すべきと言えるでしょう。
ここまでくるときっと30歳代同士で感染し合っているのではないでしょうか。
また、50歳代から40歳代へ、40歳代から30歳代へと感染が広がったように、次に感染者数が増加した30歳代から20歳代へと感染が広がるリスクがあります。

そして、20歳代に広がれば次に10歳代も感染リスクが高まります。
今ここで、30歳代を食い止めることが大事でしょう。

出典

東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト「 都内の最新感染動向 」
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

東京都の統計
https://www.toukei.metro.tokyo.lg.jp/juukiy/2020/jy20q10701.htm

新型コロナウイルス感染:板橋区、葛飾区、新宿区、大田区、世田谷区、港区はこれからアブナイ地域

東京都 市区町村別 新型コロナウイルス感染 増加率から分析してみたら(2020/3/31~4/7)

緊急事態宣言が発出されたのが4月7日ですから、その効果を確認できるのは5月に入ってからでしょうか。
恐らく、4月20日ごろまで感染者数は増加するでしょう。その増加の仕方によっては医療崩壊が始まるかもしれません。
そうではなく、4月20日を過ぎたあたりから増加率が減少すれば、それは1人1人の感染に注意した行動の成果だと言えるでしょう。

東京都が発表したデータをもとに、2020年3月31日から4月7日の市区町村別の感染者数の増加率を表にまとめてみました。

増加率が最も高い板橋区は5倍以上となっています。次に葛飾区、調布市、荒川区、新宿区、足立区、小金井市、小平市、稲城市、大田区・・・と続きます。
増加率上位の多くの市区町村は感染者数が少なかったこともあり、例えばブックルックチームのある調布市は1人から4人に増加したため4倍となっているように、インパクトはそれほど大きいとは言えません。

最も注意したいのは、もともと感染者が多く増加率も高い市区町村です。
それは、下表に色で示しました。
人口1万人あたりの感染者数が1人以上は黄色、2人以上は赤色で示しました。

ご覧の通り、人口あたりの感染者数が多い上に増加率が2倍以上なのは、新宿区、港区、中野区、世田谷区、千代田区、渋谷区、杉並区、目黒区、台東区と続きます。

以上の区または市に行く場合、そこに住む方と会う場合はさらに注意が必要でしょう。生活圏内で多くの感染者がいらっしゃり、増加率も高いことを示していますから。

2020/3/31から2020/4/7までの増加率を算出した。また、人口1万人あたりの感染者数が1人以上を黄色、2人以上を赤で示した。

もう少しわかりやすく地図で示してみると、新宿区と港区を中心に広がっているように見えます。