小山内 裕

東京都 市区町村別 人口1万人あたりの新型コロナ感染者数(2020/5/5)

4月の最終週あたりの結果が色濃く出ているであろう市区町村別の人口1万人あたりの新型コロナ感染者数マップです。
ただし、ゴールデンウイークがあったため、報告数はいつもよりも少なく出ていると思われます。

なお、この分析についての狙いや注意点について、あらかじめ「東京都 市区町村別 コロナ感染者数データ参照上のご注意」をご覧いただくと理解が深まると思います。

荒川区は、ダントツで増加率が高く倍以上となっています。
集団感染の報告はないので、市中感染が主な原因でしょうか。
なお、4月23日を最後に、保育園と東京女子医科大学東医療センターでの集団感染は報告されていません。

次に、狛江市、千代田区が増加率が50%以上となっています。

文京区、墨田区、江東区、大田区、府中市、西東京市は要注意といえます。

特に府中市は飛び火したようになっています。その周辺も府中市街地へお出かけの際は細心の注意が必要でしょう。

東京都 市区町村別 人口1万人あたりの新型コロナ感染者数(2020/4/28)

東京都全体で観ると、増加率は落ち着いてきたことが伺えます。しかし、13の市区町村では30%を超えており、バラツキが見られます。

なお、この分析についての狙いや注意点について、あらかじめ「東京都 市区町村別 コロナ感染者数データ参照上のご注意」をご覧いただくと理解が深まると思います。

東京都の感染者数マップ

港区はとうとう1000人に1人が感染者。PCR検査を積極的に行えばその10倍になるとも言われてますから、100人に1人に感染が広がっていると思われます。

港区を中心に、新宿区、渋谷区、中央区は相変わらず感染者数が多くなっています。

ワースト市区町村

直近1週間の増加率が30%を超えている市区町村です。
中野区、墨田区、練馬区は感染者数が多く、増加率も高いです。
次に、府中市、大田区、小金井市、多摩区、北区が続きます。

ベスト市区町村

増加率0%の市区町村は、立川市、青梅市、福生市、清瀬市、東久留米市、武蔵村山市、羽村市、瑞穂町です。

ベスト オブ ベスト の市区町村

最も素晴らしいのは、やはり感染者数がゼロの市区町村です。

日の出町
檜原村
奥多摩町
大島町
利島村
新島村
神津島村
三宅村
御蔵島村
八丈町
青ヶ島村
小笠原村


東京都市区町村別にみる新型コロナ 緊急事態宣言から2週間後の評価

緊急事態宣言の発出からちょうど2週間が経過した4月21日、新型コロナウイルス感染者はどのくらいの広がりになったのでしょうか。
各市区町村ごとに人口1万人にあたりの感染者数の推移を追って分析してみます。

なお、この分析についての狙いや注意点について、あらかじめ「東京都 市区町村別 コロナ感染者数データ参照上のご注意」をご覧いただくと理解が深まると思います。

人口あたりの感染者数の多い市区町村

港区、新宿区、渋谷区

3月末では、六本木のある港区と銀座のある中央区の感染者数が多かったのですが、港区は独走を続け、後から新宿区と渋谷区が中央区を追い抜いています。
しかも、緊急事態宣言発出の4月7日からワースト5の中では目黒区以外が増加率を高めています。

増加率の高い市区町村

府中市、清瀬市、東久留米市、江戸川区、調布市

緊急事態宣言発出後に最も感染者数を増やしたのは、府中市です。4月7日まで感染者は1人だけで「お店も多いわりに優秀だな」と思っていたのですが、2週間後には33倍になってしまいました。
次が清瀬市、東久留米市、江戸川区、調布市と続きます。都心から20km以上離れたのベッドタウンで高まっています。
文京区、東村山市、北区、墨田区、立川市、小平市までが増加率ワースト10です。
ニュースでも再三「人混みは避けて」と注意を呼び掛けていましたが、都心部に出かけない代わりに商店街に人が密集した結果です。(本当はわかりませんが、そう言い切ります。)

それ以外は、概ね増加率が下がっている市区町村が目立ちます。

人口あたりの感染者数マップ

真っ黒にならないことを願います。

ただ、概ね増加率は下がってきています。

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新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るう中、外国を助けられるほど余裕のあるベトナムがとった施策とは

ベトナム政府は日本、イタリア、フランス、ドイツ、ロシア、ラオス、カンボジア等に医療用マスクや医療物資の寄贈を行いました。
日本含め、寄贈していただいた各国は自国のことで精一杯ですが、ベトナムは余裕があるとのことです。
米ジョンズ・ホプキンズ大学が公開しているデータによると4月21日現在、ベトナムにおける新型コロナ感染者は268人、死者0人です。
一方、日本の感染者数は1万人に達しようとしています。
ベトナムの人口は日本より2割少ないですから、その分差し引いても30倍も優秀という結果を出しています。

そういえば、ベトナムに出張で行ったときに、ベトナムの方がベトナムの平均年齢は非常に若いということを話していたことを思い出しました。ベトナム戦争の被害の甚大さを物語っています。
新型コロナウイルスは高齢者の方が症状が悪化しやすいということなので、もしかしたらこの余裕は平均年齢からくるのだろうかと思い調べてみました。
経済産業省のレポートによると2018年のベトナムの65歳以上の人は全体の7.3%です。日本は28.%で4倍多いですが、30倍の差がつくほどの理由にはなりません。

他の理由を探してみましたら、ベトナムでは日本よりもずっと早く、強く、具体的な施策を行っていました。

日本より10日間以上早く、強い入国制限

2020年2月3日、過去14日以内に中国本土に滞在歴のある外国人の入国を拒否し始めました。この時ベトナム国内の新型コロナ感染者は10人です。

在ベトナム日本大使館(2020/2/6)「ベトナム国内における新型コロナウイルス関連発表(続報)

一方このころの日本はというと、2月1日から、過去14か以内に中国 湖北省に滞在歴のある外国人の入国を拒否し始めています。日本国内の新型コロナ感染者数はまだ6人です。
ベトナムと日本の対応はそれほど変わらないように見えるかもしれませんが、違いは、入国を拒否する対象の広さです。ベトナムは中国全土を対象としましたが、日本は湖北省に限定しておりなおかつ、例外的に入国できるケースもあったようです。

2020年3月21日、ベトナムに入国する全ての者に対して集団隔離を実施しました。この時ベトナム国内の新型コロナ感染者は85人。

在ベトナム日本大使館(2020/3/20)「ベトナム国内における新型コロナウイルス関連発表(入国者の隔離)

感染者数85人というのは日本では2月19日時点に相当します。

日本は累計の感染者が3千人を超えた4月3日から同様の水際対策を強化しましたが、日本に入国・帰国する者に対して自宅での14日間の待機を「お願い」するというものでした。
日本では3月24日の段階で、海外で感染した人たちが検疫をすり抜けて入国している事実を多数確認していたにも関わらず、ベトナムよりも10日間以上も遅いですし、対策も緩いものでした。特にヨーロッパからの帰国者の感染が目立ちました。

入国規制が1つめの日本とベトナムの大きな差です。

日本より1週間以上早く、具体的な緊急事態宣言

ベトナム政府は、新型コロナ感染者がおよそ200人であった4月1日から全国規模の社会隔離を実施しました。

在ベトナム日本大使館(2020/3/21)「ベトナム国内における新型コロナウイルス感染症関連発表(3月31日付首相指示第16号の概要)

なお、感染者数200人は、日本で2月下旬です。

日本政府が東京など一部の都府県に緊急事態宣言を出したのは、4月7日、感染者数が4500人に達しようという時です。
圧倒的にベトナムの方が俊敏で危機意識の高さも感じられます。

ベトナムのソーシャル ディスタンシングの指示は日本よりも具体的な内容でした。

数字でソーシャル ディスタンシングを指示

日本ではソーシャル ディスタンシングについて、「3つの密」と小さな子どもでも理解できるような言葉に収めました。

日本政府が発出した緊急事態宣言はベトナムのそれと比較して非常に曖昧で、国民1人1人、各自治体、各会社などに具体的な対応が任されました。「不要不急の外出を控える」ということの他、どの業種に休業要請を出すかに腐心してしまったように見えます。

それについて文句や不満を言うつもりはありませんが、結果を出しているベトナムの具体的な要請は参考になります。
これが2つ目の差です。

ベトナムが2020年4月1日から15日間実施した全国規模のソーシャル ディスタンシング
(1)全ての国民は自宅待機。
(2)本当に必要な場合に限って外出可とする。
(3)挨拶や会話は、2メートル以上の間隔をあける。
(4)会社、学校、病院外、公共の場で3人以上集まらない。
(5)企業など組織の長は、感染症対策の実施、従業員の健康・安全の確保に責任を持つ。
(6)原則として公共交通手段による旅客運搬を停止する。

在ベトナム日本大使館(2020/3/31)「ベトナム国内における新型コロナウイルス感染症関連発表(3月31日付首相指示第16号の概要)

なおかつ、感染リスクに応じて都市を3つのグループに分類し、それぞれのグループに異なるソーシャル ディスタンシングの指示を出しています。

在ベトナム日本大使館(2020/4/15)「ベトナム国内における新型コロナウイルス関連発表(社会隔離措置の継続)

最後に

早め早めの完全を目指した対応、危機に直面した時の感性の高さ、決断の俊敏性、具体的な指示、責任の所在の明確化、これらが後にベトナムに余裕を持たせていることがわかりました。
しかもそれらは新型コロナ対策に限らないでしょう。企業においても同様のことが言えます。危機に直面したときにどう対応するかが、生き死にを分けるのは言うまでもないでしょう。

出典

在ベトナム日本大使館(2020/4/17)「ベトナム政府による医療用マスク等寄贈式

米ジョンズ・ホプキンズ大学「Coronavirus COVID-19 Global Cases by the Center for Systems Science and Engineering (CSSE) at Johns Hopkins University

外務省「ベトナム社会主義共和国(Socialist Republic of Viet Nam)基礎データ

経済産業省(2020/3)「医療国際展開カントリーレポート 新興国等のヘルスケア市場環境に関する基本情報 ベトナム編

総務省統計局(2020/4/20)「人口推計

NHK「特設サイト 新型コロナウイルス