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区部より市部での感染拡大が目立ってきた(東京都 市町村別感染者数データから)

東京都が発表しているデータをもとに、市区町村別に新型コロナウイルス感染の増加率を分析してみました(2020/4/7~4/14)。
それまでは区部での感染拡大が顕著でしたが、市部での広がりが目立つようになってきました。

東京都の新型コロナウイルス感染者数について、1週間前と比べて増加率が1.4ポイント下がりました。しかし、まったく油断はできません。これは偶然でしょう。
3月31日 521人
4月7日 1,338人( 3月31日から 2.6倍)
4月14日 2,319人(4月7日から1.7倍)

なぜならば、3月最後の日曜日は都内は朝から雪が降ったため、外出する人が少なかったことが幸いしていると思われるからです。おそらく、雪が降り続けない限り感染の拡大率は下がらないのかもしれません。

さて、東京都の市区町村別の新型コロナウイルス感染者数を見ていきましょう。

ゼロから発生した市区町村

国分寺市、国立市、多摩市は、ここまで感染者ゼロで頑張ってきたのですが、とうとう発生してしまいました。
残るは、福生市、日の出町、奥多摩町、楢原村、諸島部です。周りの市区町村から感染者がやってこないことに期待したいです。

この1週間、増加率の高かった市区町村

冒頭でも述べましたが、東京都は降雪のために全体の感染者の増加率が下がったにも関わらず、増加率を高めた市区町村もありました。
この中で今後注意が必要なのが、文京区と墨田区です。人口1万人あたりの感染者数が1人を超えています。
府中市(0%→1300%)
清瀬市(0%→500%)
立川市(0%→300%)
東久留米市(100%→200%)
東村山市(0%→200%)
文京区(100%→188%)
江戸川区(100%→169%)
墨田区(120%→155%)

市区町村別の新型コロナウイルス感染者の増加率(4月7日から14日まで)

行くべきではない市区町村

1週間前から相変わらず、人口1万人に占める感染者数の多い市区町村です。
港区(6.24人)
新宿区(5.09人)
渋谷区(3.13人)
目黒区(2.56人)
品川区(2.33人)
台東区(2.32人)
中央区(2.31人)
世田谷区(2.23人)

人口当たりの感染者数マップ

3月31日から1週間ごとに、人口あたりの感染者をマップで表しました。

人口1万人あたりの新型コロナウイルス感染者数(2020/3/31)
人口1万人あたりの新型コロナウイルス感染者数(2020/4/7)

※本データの参照にあたって、「東京都 市区町村別 コロナ感染者数データ参照上のご注意」をお読みください。

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新型コロナウイルス 30歳代と接するときは気をつけろ!

東京都の新型コロナウイルス感染者の属性を分析してみました。
まず、20~50歳代の感染者が飛び抜けて増加していることがわかります。
次に、ピンポイントで対策するのであれば、30歳代の感染防止策が必要でしょう。30歳代は同年代の間で感染を広げており、次に20歳代へ感染を広げる可能性があるのではないかと思われます。

1月下旬に武漢からやってきた男女3人の新型コロナウイルス感染が発覚してから約2週間の沈黙の後、70歳代を中心に感染が広がりました。
次に50歳代へ広がり、3月下旬には40歳代が一番多くなりました。

4月に入ると40歳代と30歳代が高い増加率で均衡を続けますが、まもなく30歳代が飛びぬけ最も感染者数が多くなりました。

30歳代はトップに立つとその勢いを増し、圧倒的な地位に就いたように見えます。
ここまでを見ると、社会の中で接する年代へ感染しているように見えます。年代の高い人から低い人へと順に感染が広がっていったことが推測されます。

この順番に従えば、次に注意すべきは20歳代の方々です。
特に30歳代の人と接する場合は、これまで以上に感染しないように注意が必要です。

東京都の年代別の人口で見れば、30歳代が198万人で40歳代が226万人です。30歳代は40歳代よりも1割少ないのに、感染者数では1割多くなっています。
30歳代は新型コロナウイルス感染者のリーダーです。
30歳代の方は自覚しているよりもっと慎重に行動すべきと言えるでしょう。
ここまでくるときっと30歳代同士で感染し合っているのではないでしょうか。
また、50歳代から40歳代へ、40歳代から30歳代へと感染が広がったように、次に感染者数が増加した30歳代から20歳代へと感染が広がるリスクがあります。

そして、20歳代に広がれば次に10歳代も感染リスクが高まります。
今ここで、30歳代を食い止めることが大事でしょう。

出典

東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト「 都内の最新感染動向 」
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

東京都の統計
https://www.toukei.metro.tokyo.lg.jp/juukiy/2020/jy20q10701.htm

新型コロナウイルス感染:板橋区、葛飾区、新宿区、大田区、世田谷区、港区はこれからアブナイ地域

東京都 市区町村別 新型コロナウイルス感染 増加率から分析してみたら(2020/3/31~4/7)

緊急事態宣言が発出されたのが4月7日ですから、その効果を確認できるのは5月に入ってからでしょうか。
恐らく、4月20日ごろまで感染者数は増加するでしょう。その増加の仕方によっては医療崩壊が始まるかもしれません。
そうではなく、4月20日を過ぎたあたりから増加率が減少すれば、それは1人1人の感染に注意した行動の成果だと言えるでしょう。

東京都が発表したデータをもとに、2020年3月31日から4月7日の市区町村別の感染者数の増加率を表にまとめてみました。

増加率が最も高い板橋区は5倍以上となっています。次に葛飾区、調布市、荒川区、新宿区、足立区、小金井市、小平市、稲城市、大田区・・・と続きます。
増加率上位の多くの市区町村は感染者数が少なかったこともあり、例えばブックルックチームのある調布市は1人から4人に増加したため4倍となっているように、インパクトはそれほど大きいとは言えません。

最も注意したいのは、もともと感染者が多く増加率も高い市区町村です。
それは、下表に色で示しました。
人口1万人あたりの感染者数が1人以上は黄色、2人以上は赤色で示しました。

ご覧の通り、人口あたりの感染者数が多い上に増加率が2倍以上なのは、新宿区、港区、中野区、世田谷区、千代田区、渋谷区、杉並区、目黒区、台東区と続きます。

以上の区または市に行く場合、そこに住む方と会う場合はさらに注意が必要でしょう。生活圏内で多くの感染者がいらっしゃり、増加率も高いことを示していますから。

2020/3/31から2020/4/7までの増加率を算出した。また、人口1万人あたりの感染者数が1人以上を黄色、2人以上を赤で示した。

もう少しわかりやすく地図で示してみると、新宿区と港区を中心に広がっているように見えます。

ブックルックチームの新型コロナウイルス感染回避対策の紹介 (後編)

前回の記事「ブックルックチームの新型コロナウイルス感染回避策の紹介(前編)」では、具体的な対策の紹介の前に新型コロナウイルスの経緯を辿りました。
今回はその経緯と重ね合わせながら対策を紹介します。

2020年1月

1月は、武漢から来たツアー客を乗せたバスの運転手から広がった感染事例や、個人タクシー組合の屋形船での感染事例が相次ぎました。世の中もパンデミックは避けたい、中国の武漢のようなことは避けたいと思っていたころです。
その1月下旬、ブックルックチームでは手洗いの徹底を呼び掛け始めました。
特に電車など多くの人と接した後は、オフィスへの入室前に手洗いを必ずするようにしました。
これが最初の対策です。

2020年2月

2月、大型豪華客船 ダイヤモンド・プリンセスでの船内感染が発生。ウイルスは船内に閉じ込められたままでしたから、陸の上の私たちはまだ楽観的で他人事だったのではないでしょうか。
しかし、2月下旬になると各地で小規ですがクラスターが散発している事態を受け、政府から新型コロナウイルスの感染症対策の基本方針が発表されました。
新型コロナウイルスは飛沫感染だけでなく、閉塞空間でも感染する可能性があるとされていましたので、手洗い、咳エチケットの徹底と、風邪症状があれば外出を控えるというものに加え、イベントの自粛が呼びかけられました。
ちょうどこの数日後にブックルックチームでは送迎会が予定されていました。イベントの自粛は強く要請されるものではなかったこともあり、相当みんなで悩みました。
私も送別会を辞めようと言ったら嫌われるかな、と思いつつも、もし感染者がいたとなればチーム全員が職務を全うすることができなくなってしまうため、リスクを避けるために断腸の思いで中止を指示しました。

その直後、2月27日、安倍晋三総理が全国すべての小中高、特別支援学校について3月2日から春休みまで臨時休校とすることを要請しました。
これには賛否両論が巻き起こりましたが、そこからもわかるように、世の中はまだ新型コロナウイルスに対して楽観的だったと言えると思います。

2020年3月

3月に入ると急速に悪化し始めたように思います。
2月は武漢からの入国拒否に限られていましたが、3月9日には対象が中国全土に広げられました。

ブックルックチームでは、3月中旬までの予防対策強化で感染の広がりを抑えることができるとされることを受け、3月19日までという期限付き(後日延長)で改めて次の対策を指示しました。
・オフィス入室前の手洗いの強制
・2時間ごとの喚起の徹底
・時差出勤の推奨
・10人以上の宴会の禁止

3月10日には、海外からの帰国者は2週間の自宅待機を決めました。

3月下旬には3つの密を避けることが推奨されたのを受け、宴会はすべて禁止としました。

3月30日 首都封鎖の話も出始めました。突然の外出禁止要請などが出され混乱することのないよう在宅勤務を開始しました。
諸事情により全員というわけにはできませんでしたが、社内の人は半分未満になりましたので、座席を移動して人と人の間を開けるようにしました。

2020年4月

4月7日、緊急事態宣言が東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡に発出されました。
お客様と調整し、在宅勤務者をさらに2名増やしました。

さらにブックルックチームに次のように行動制限を呼びかけました。
・改めて3つの密を避けること。
・各自で感染事例やデータを確認し、考え、判断して行動すること。
・人との接触を8割削減すること。
人との接触を削減するには、各自の想像力と工夫が求められます。
例えば、「過去1か月以上(または2週間以上)会っていない人との会う機会を持たない」。クラスターを構成する人が、ほかのクラスターに所属する人と会うことがなければ、感染リスクは限りなくゼロに近づけることができます。
また、高齢者や持病を持っている方との物理的な距離を開け、直接接する時間を減らすために「手紙を書いてみる」。
パソコンやスマホで文章は手軽に入力することができますが、あえて直筆で手紙を書いてみるのも自宅での時間の過ごし方としては有効的だと思います。

まだ終わりの見えない感染の広がり

「いい加減、ここから本気で取り組もうよ!」と言いたいところですが、すでに対策を始めている人は十分万全だと思います。問題はまだ甘く見ている人たちです。
「感染しても大したことない」などと思っている人は、健康はすぐに害さないかもしれませんが、経済的なダメージが巡り巡って必ずやってきます。生活に窮することになる前に、今のうちに行動を起こしましょう。

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