Management

今は辞めてはいけない

どんなに頭にきても、どんなに気に入らなくても、どんなに嫌でも、やりかけの仕事を放り投げて辞めてはいけません。

仕事を途中で放り投げるというのはプロフェッショナルとして端にも棒にも引っかからない、ということがそもそもありますが、今、この時期は、想像以上に厳しい世の中です。
ご存知の通りアメリカ発の不況が叫ばれて久しいですが、過去にないくらいの厳しさを今、私は実感しています。
そして思い出します。今年の秋口くらいに、大手企業のトップたちが「こんな急激な落ち込みは前例がない」と話していたことを。

MBAを共に学んだ友人たちも同様に、とてつもない状況に驚いています。
11月中旬から「ガタッ」と音を立てて経済状況が悪化したことを肌で感じています。

お客様と接したり、経営的な数字を追っているとすぐにわかりますが、会社の中だけで働いていると、わからないものです。どんなに知識、経験、技術があろうとも、再就職できるのは、あなたと採用しようとする企業がよほど恵まれている場合だけではないでしょうか。
もし、会社員をされていて、辞めようと考えているのでしたら、今は何としても堪えてください。
そして、会社とステークホルダーの利益に貢献するよう、今すぐに気持ちを切り替えましょう。

。。。と、こんなことをここで言いましたのは、今日、社員が1人辞めました。
嵐が吹き荒れる外へ出て行きました。心配しておりますが、自分で決断したことですから、検討を祈るばかりです。

厚生年金の保険料

あなたの厚生年金保険料は多すぎたり少なすぎたりしていないですか?

厚生年金の保険料は月給と賞与にかかる。
保険料は、毎月変動する月給ごとに計算するのは面倒なので、4~6月の平均月給を元に計算する。
平均月額のレンジに応じて、30ある「標準報酬月額」のどの等級かが決定される。
なお、平均月給が101,000円未満は1等級、605,000円以上は30等級となる。

保険料率は加入する厚生年金基金により異なる。政府管掌の厚生年金では、15.35%。
これを労使で折半する。
細かいことだが、折半するため、1円未満の端数が発生する。事業主が月給から天引きする場合、50銭を超える場合は1円、50銭未満の場合は0円とする。

7月以降に採用した場合は、見込みの平均月給に基づく。

(以下、2008年11月23日 日本経済新聞 朝刊から)
厚生年金加入者の月収平均は31万円だそう。62万円以上が234万人で全体の6.8%。ということは加入者数は3441万人。

>政府管掌厚生年金の標準報酬月額はこちら。
http://www.sia.go.jp/seido/iryo/iryo11.htm

「米国の利益にとって日本より中国の方が重要」は本当か

日本より中国重視、米で過半に ———————-
国際問題研究などを手がける米シカゴ・カウンシルが28日に発表した米国人の日本に関する意識調査から。
日本よりも中国を重視する人が過半を占める結果が出た。
米国の利益にとって日本と中国のどちらが重要かとの二者択一の質問に「中国が重要」との答えは51%となり、「日本が重要」(44%)との回答を上回った。
(2008年10月30日 日本経済新聞 朝刊より)


これを最近の動向から解釈すると、日本の果たす役割が小さくなってきているからだ、もう日本は欧米にとって無用となりつつある、と考えてしまいそうですが、ちょっと立ち止まって多面的に考えて見ます。
まず、「米国の利益にとって日本と中国のどちらが重要か」はどのように捉えて回答されたのでしょうか。「重要」という言葉の捉え方によって回答も変わりそうです。

そこで、原文を探してみましたらありました。
American Attitudes on U.S.-Japan Relations ————-
On Tuesday, October 28, 2008, The Chicago Council on Global Affairs released a report of American views on the importance of the U.S.-Japan alliance. While many Japanese analysts and commentators have worried that the United States is losing interest in Japan, especially with the rising importance of China, the study found that the rise of China is increasing the importance of the U.S.-Japan alliance; Americans continue to see Japan as an influential partner in the international system.
On a 0 to 100 thermometer of feelings (with 0 meaning a very cold, unfavorable feeling and 100 meaning a very warm, favorable feeling), Japan ranks well ahead of China, with a mean rating of 59 compared to China’s 41.
57% of Americans are prepared to see Japan change Article Nine of its Constitution to allow Japanese forces to engage in a wider range of military activities. That is higher than support for Constitutional change among the Japanese public.
83% of Americans are opposed to Japan developing nuclear weapons, and majorities agree that Japan’s pursuit of nuclear weapons would violate commitments under the Nuclear Non-Proliferation Treaty and encourage other countries to develop nuclear weapons.
Full Report (PDF)

(http://www.thechicagocouncil.org/dynamic_page.php?id=76 )


「Full Report」の中で、「vital interests」という言葉を使っています。「米国に最大限の利益をもたらしてくれるのは日本と中国のどちらかといえば、中国だろう」ということです。
さらに、「だからといって、日本無用論を持ち出すのは早計」だと述べています。その理由として、
・日本は、中国の下位に位置するが、上位国であり、米国にとって重要な国であることは確かである。
・米国民は、日本を身近に感じている。中国はどちらかというとまだ遠い存在で、それは日本よりも18%低い。さらに、その差は2000年を境に年々開いている。
・国際的な影響力についても、日本は中国より下回るが、なお上位に位置している。これはヨーロッパに対するアジアの存在感の高まりを表している。
・中国との通商取引は日本のそれと比べて不公であるという意見は30ポイント高い。

さて、こういったことを踏まえて総括すると、米国にとって中国は良き同盟国として、その重要性が高まっているとは言い切れないのではないでしょうか。確かに中国はなくてはならない存在ではありますが、まだ温かい関係まで至っておらず、警戒すべき国でもあるのです。中国との関係はdeveloping areaであり、その意味で重要と考えているようです。
やはりイギリスとの関係が最も重要性が高いわけですが、アジアという単位で見た場合、日本との関係は、最も特別なものであるという認識を持っていることがわかります。
経済的な日本の影響力は低下していますが、技術と革新面における国際社会に対する貢献はとても期待されています。
しかし、それと比べてしまうと、アジア圏でのリーダーシップ、国内システム、他国への経済協力はそれほど期待されていないように思われます。それらが国際社会における日本のdeveloping areaではないでしょうか。
なかなか日本の中にいると日本を客観的に見ることは難しいものですが、これをひとつのデータとして受け止めて考えてみると、なかなか興味深いものです。

サービス・ドミナント・ロジック by 藤川佳則

「サービス・ドミナント・ロジック 『価値共創』の視点からみた日本企業の機会と課題 」と題した、組織学会の定例会に参加してきました。

改めて考えると新鮮なものです。確かに、現在のビジネスはその価値を強調し、販売する比率が高まっています。
しかしながら、日常の業務の中ではついつい忘れられてしまいがちではないでしょうか。

私の仕事における価値は、企業の生産性向上です。顧客としての企業が生産性を向上させるには、企業の主体性が不可欠です。
つまり、価値を提供する側と同じくらい価値を受け取る側も価値を提供する、ということが大きな成功を導くわけです。

最後に、OECD諸国の中で平均以下の生産性である日本ですが、その復活の手がかりは、この「サービス」にありそうです。
米国と比較すると顕著ですが、生産性とサービスが生み出す付加価値が相関しています。

だからといって、日本のサービス品質が低いというわけではないでしょう。サービスは昔から提供されています。
サービスの表現、認識、価値付けが課題でしょうか。

以下、私のレジュメです。
藤川先生のご研究を拝聴して、私なりの考えが付け加えられておりますことをご了承ください。
つまり、藤川先生の内容はきちんとした研究に基づいたものであり、私の考えは私個人の経験的なもので裏づけがされておりません。

[Fact]
まず、周知のことであるが、次の3つの事実がある。
・成熟とともに、第一次産業から第三次産業へ
・GDPに占めるサービス産業の割合は、先進国の中で日本は最も低い。
・日本は、ほとんどの産業でサービスの割合が米国の60~80%程度
*サービスの生産性を示す指標の多くは、その質については含まれていない場合が多いので注意。

[課題]
日本における課題は、製造については海外売上高比率は高まっているにもかかわらず、非製造については減少傾向である。
このサービス グローバリゼーションにおける課題は、日本のサービスの質が低いからではないだろう。
言語、価格、イノベーション等の問題が考えられる。

[サービスの特徴]
サービスの特徴は、同時性、消滅性、無形性、変動性が高いことである。これは「知識」に共通する。

[サービスの提供]
いかにサービスを提供するか。それは、Marketing、Operations、Human Resourcesを統合して顧客に対応することである。
マーケット---
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[サービス経済の基本論理]
「サービス」を考える場合、次のように考えてみるとよいだろう。
・モノはサービスを提供する手段。
・顧客は、価値を共創する主体。客体にとどまらない。
・企業は、価値を提案する。価値を規定するのは顧客。
例:「我々が売っているものはドリルではなく、穴である」 by ドリルメーカー
例:asics。足のサイズ、バランス、走り方などを計測することで、最も適したシューズを販売。さらにそのシューズを購入したあとの提案に力を注ぐ。