小山内 裕

調子を取り戻す1つの方法

仕事の都合で、中途半端な時間に、中途半端な夕食しか取らなかった。

そのせいで、帰路、23時過ぎに最寄り駅に着いたときに小腹がすいてしまった。
もう、その時間の選択肢は限られている。コンビニ、牛丼屋、マック。
だが、時間的にあまり重たいものは避けたい。
そこで、マックに行くことにした。
ベーコンポテトパイとオレンジジュースを受け取って席に着いたときに、フト若返った、気がした。

学生時代、最終電車が去った後の渋谷のマイアミにタイムスリップしたのである。

店員以外の声はほとんどなく、静かなざわめきがあたりを支配し、なんとなく疲れた雰囲気を醸し出している人や、無駄に時間を潰しているように見える人。。。
そういった諸々のことが、これから訪れる長い夜を予感させた。
マックで、その状況にに予期せず突入したのだ。

そうしたら、当時の気持ちにスッと置き換わった。
無意識に学生時代の自分が呼び戻されたのである。
無責任で、身軽で、将来の不安もない刹那的な自分。
なんとなく気持ちよかった。いつまでもそのままでいたいと思えるような。
だが、私は知っている。
このまま朝までそこにいたら必ず後悔することを。
明け方5時を過ぎたころ、なんとも言えない疲労と、無駄に時間を過ごしてしまったことへの後悔。
寝不足で判断がおかしくなっていることも作用して、ネガティブな考えが渦巻く。
.....私が書きたかったのはそういうことではない。
環境を変えることで、自分も変われるという一例である。

もし、スランプに陥ったなら、調子の良かったときの行動パターンを思い出して、再実行してみたらよい。

私は、スランプに陥ったときに、散髪を、以前行っていた美容院に帰ることで調子を取り戻した経験もある。

グローバル化後の国際化とはどういうことか

「ワロタ ”売上高増加分の大半を海外市場でまかなうとしている。”」

「かくあるべし。」
「さすが、考える事がグローバル!!でも僕も負けてらんないなー」
「地元意識が弱い会社はやることがハデだなぁ。どっぷり地づいてた前の会社では、海外法人への「大量転勤」計画が出ただけで人材流出が始まったというのに」
「周囲を無視し続けてこのまま行ったら問題だと思う。自分(の派閥)さえよければいいとう政治家みたいな自己基準はリーダーとしてどうなのか?」
賛否両論が並ぶ。
今の日本の意識をうまく表しているように思える。
http://bit.ly/info/6FeDx9
これは、下記のユニクロの「民族大移動」のニュースに対する「ネット反応」である。


ユニクロが「民族大移動」 年内に数百人を海外勤務に
1月4日20時12分配信 産経新聞
カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは4日までに、年内に数百人規模のグループ社員を海外に転勤させる方針を明らかにした。中国や韓国、ロシアなどへの積極的な出店に伴う措置。現在の海外勤務者数は約100人で、一気に数倍に増やす。グローバル企業を目指す中で、社員の意識改革を促す狙いもある。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100104-00000591-san-bus_all


これまでトヨタやホンダがやってきたような海外進出の形とはまったく異なる。

グローバル化前の国際化は、現地の品質を日本人が求めるレベルにするための「現地人の日本人化」が目標であった。
だが、グローバル化後の国際化は、「日本人の現地文化理解に基づいた国際化」が鍵だ。「日本人の現地人化」ではない。
あなたが国際化するとはどういうことだろうか。世界中を飛び回ることでもないし、外国語ができることでもない。
フラットな地球の遠く離れたところを理解することである。

そして、それぞれの国や地域の文化に浸ることで、それぞれのニーズを把握し、グローバルのニーズにまとめあげることである。
そしてそれができない、やりたくない、という人は会社から去ってもらいたい、ということもあるはずだ。

これは勝手な憶測だが、恐らく、日本発のグローバル商品の開発を目指しており、裏返せば、日本からガラパゴス(日本)仕様の商品や店舗の割合を減らすことで国際競争力を高めようというものであろう。また、日本人への新しい文化の提案も目論んでいるのであろう。

私は大、大、大賛成である。
日本人の半分が、アジアを軸にした海外文化に浸り、自らの糧にしたら凄いことになると思っている。
これは、日本文化を捨て去ることでもないがしろにするものでもない。

それは、経済だけではなく、愛情の向上である、あって欲しい、と思う。

日本企業に顧客の創造ができるのか

「世界経済の展望と構造変化の行方」と題して、三菱商事 執行役員 国際戦略研究所所長である 藤山智彦 氏が公演を行った。
場所は虎ノ門の日本財団ビル。
6年間続いているスピーカーズコーナー・トウキョウの開催100回を記念したものである。

今回の内容に触れる前に、本題のスピーカーズ・トウキョウ が「地方からの日本再生」というテーマで来月2月初めに予定されている。
事例に基づいた講義が聴けるのではないかと期待している。
3回シリーズで3名の方が講師としてお話しをされるのだが、皆、会社のトップで、こだわりを持って事業をしている。
だから、その延長線上での話題が聞けるときっと役に立つに違いないと思っている。

実例を用いながらの話は飽きがこない。臨場感があるし、自分も経験したような気になる。
個人が経験できることには限界がある。
だから、いろいろな人の経験が聞けるのは糧になる。
まるで、幕末の志士が人づてに話を聞いて、見識を広めたように。

特に3回目は、東証1部上場のアルプス技研 創業者 松井利夫氏 の話しは是非とも聞いてみたい。
JALの再建に京セラ創業者の稲盛氏が会長として関与することになったが、生存する日本の貴重な創業経営者の1人である。
さて、今日のセミナーを私なりの解釈で概説すると、
「今後2年ほどの間に、新しい需要を作り出さないと、日本の経済はさらに落ち込み、回復まで長期を要するであろう」というもの。
この宿題は、1990年代のバブル崩壊から引き続きあるものだと思う。
2008年9月のリーマンショックや、アメリカのサブプライムローン問題に起因するものではないだろう。
例えば、トヨタのプリウスが大ヒットしたが、これは需要を創造できたといえないだろうか。
プリウスは、単にエコなだけじゃない。ガソリンを使わない夢の車なのである。
3年前、私もプリウスに乗ろうかと随分悩んだ。
リッターあたり37キロ走行、地球に優しいというよりも、ガソリンを使わないで走るということを考えただけでワクワクする。
ガソリン代を削減できるのと、電池交換のコストをシミュレーションして比較した。
週末くらいしか乗らない私には、ガソリン車の方が格段にコストが低かった。
だが、今でも乗りたい。エコカー減税が使えれば、トータルでガソリン車よりもお得かもしれない。。。
そうなのだ。プリウスの大ヒットを支えたのは、減税の側面もあるのである。
だから、まだ需要を創造したとは言いがたい。

前回「米マイクロソフト 2009年末 株式時価総額ランキング第3位 」で紹介したように、世界の時価総額の上位企業は、アメリカや中国が占める。
日本ではトヨタがトップだが、世界でみれば27位。
世界的に見れば、マダマダ、ということだ。

是非とも、トップ10入りする企業が日本からバンバン出て欲しい。
それはつまり、需要の創造、顧客の創造を世界的に実現する企業の創出でもある。

プリウスが定価でガソリン車並になったら、顧客の創造がもっと進むんじゃないだろうか。

米マイクロソフト 2009年末 株式時価総額ランキング第3位

2009年末の世界株式時価総額ランキング(日本経済新聞 2009年1月12日 朝刊)を見ると、ベスト10はアメリカと中国の企業が占めている。
業種で言えば、エネルギー、IT、銀行の3つである。

つまり、世界の投資マネーは、米中のエネルギー、IT、銀行に集まっていることがわかる。
そこで私にとって少し意外だったのは、マイクロソフトが昨年6位から順位を上げて3位に食い込んでいることだった。
ウィンドウズ7が好調だったにしても、将来性には不透明感がまだ、ある、と思っていたからだ。

だが、冷静に市場を見つめてみると、一般のパソコンのOSはウィンドウズから他へ乗り換える兆しはまだ見られない。
ウィンドウズ7は、不調だったVistaがなかったものとして考えると、XP発売(2001年冬)から約8年ぶりとなる新クライアントOS。
Vistaで失敗している企業は、早々とウィンドウズ7に移行することが予想される。
従業員の多い企業では、すぐに「7」へ移行するとは思えないが、複数種のOSをサポートすることはコスト高につながるため、ハードウェアの寿命を迎える数年後には、一気にXPから「7」への移行が始まるだろう。
また、今は、モバイル端末における競争に投資が集中している。
その点からも、クライアントOSではウィンドウズのライバルが登場する見込みは薄い。

とはいいながらも、マイクロソフトは油断はできない。
Thinクライアント、特にスマートフォンの台頭が気がかりだ。
技術革新により、スマートフォンがウィンドウズ7並の機能を備えた時、ガラリと市場は変わってしまうだろう。

恐らく、スマートフォンを介して会社のパソコンを操作できるようになったときだ。
スマートフォンは、会社のパソコンに接続するためのデバイスであり、データを持ち運ぶ必要が無くないばかりか、オフィスなどのアプリケーションをインストールする必要もない。
技術的にはもうクリアされている。実際、私はモバイルPCをそうして使っている。

ブラックベリーは、メールの確認が容易にできることがウケて急速に普及した。
そのように、入力と出力がもっと容易になれば一気に加速する可能性がある。
具体的には、A4ノートパソコンのキーボード並みの操作性と17インチディスプレイが利用できることである。
これもUSBコネクタを備えることでクリアされるが、キーボードやディスプレイの持ち運びの容易性をどうするか、だ。

こう考えると、新しい形のスマートフォンの登場は遠いことではなさそうだ、とまとめるにはまだ早い。
バッテリーがボトルネックだ。バッテリーは長持ちするようになり、利用環境は随分整ってきてはいるが、バリバリ使って半日は持たせたい。

それが可能になったときに、マイクロソフトが準備できているかどうか、だろう。