この記事を読むにあたって気をつけた方がよいことが2つある。
それは、人の能力のすべてを学力で計ることはできない、ということ。
もう1つは、この結果は当然と言え、現代社会の歪を象徴している、ということ。
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年収多い世帯の子供ほど高い傾向…文科省委託研究
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まず、これは収入に対して、学力というモノサシで計測した結果であって、世の中にあるその他のモノサシは使われてない。
収入と運動能力、収入と家庭生活に対する満足感、収入と親子の信頼関係、収入と思い出の質と量・・・
もしかしたら、学力向上のためにお金はたくさん使っているが、子どもとの関係はどうなのだろうか。
次に、なぜこの結果が当然と言えるのか。
私が思うに、日本の大企業に限って言えば、学力が高い人ほど多くの収入が得られるモデルになっている。
ある外資系の職場では、学歴は経路でしかないことを思い知らされたことがある。
誰もが学歴に関係なくチャンスを与えられるから、非常に競争が激しかった。
そして、学歴に関わらず結果を出している姿を見ることも珍しくはなかった。
だれもがチャンスを掴めば存分に力を発揮しようと努力する。
だが、学歴社会では、チャンスは学歴に応じて配分される。スタート地点が違うのである。
ここに2極化の根本が見出される。
最後に気になったことが、以下の文。
「親自身の普段の行動を尋ねたところ、高学力層では「クラシック音楽のコンサートに行く」「お菓子を手作りする」などの回答割合が高く、低学力層では「パチンコ・競馬・競輪に行く」「カラオケに行く」などの回答割合が高かった。」
これは何を表すのだろうか。
収入と学力の相関、収入と親の行動の相関は理解できるが、親の行動と学力の相関は低いのではないだろうか。