毎日楽しみにしているコラムがある。
日経新聞の「やさしい経済学」。前回は「やさしい経営学」だったかな。
今日は、京都大学教授 依田高典『人間の健康と経済心理「6.嗜癖の連鎖」』を紹介します。
最初に誤解のないように、嗜癖が悪いわけではない、気をつけなければならないのは依存症がある点。「特定の刺激を求める行動を繰り返しすぎた結果、身体的・精神的にその行動の追及から逃れられなくなってしまう」ということでしょう。
a) たばこを好む人、パチンコや競馬を好む人、毎日酒を飲む人
—> せっかちで、リスクに対する慎重度が低い
b) 毎日ではなくとも、酒を飲む人
—> 飲まない人よりも、リスクに対する慎重度が高い
タイトルにもある「嗜癖」とは、アルコールやたばこ、薬物のような物質への依存。
つまり、a)は嗜癖のある人の経済心理を表したもの。
さらに、嗜癖は連鎖する(嗜癖の連鎖。クロスアディクション)。
・ パチンコをする人の喫煙率は78%
・ 競馬をする人の飲酒率は86%
・ 競馬をする人のパチンコ愛好率は48%
いずれも平均と比較するとずば抜けて高い。
相関を見ると、高いのは、パチンコと競馬、喫煙と飲酒。
パチンコ愛好率が1%上昇すると、競馬愛好率も0.8%上昇。
飲酒率が1%上昇すると、喫煙率は0.3%上昇する
ただし、喫煙と競馬、飲酒とパチンコには有意な相関は見られなかったという。
中には、ここで改めて数字で表さなくてもそんなことは当たり前じゃないかと思う方もいるかもしれない。
それは経験的なところで多くの人が知るところだからであろう。
wikipediaで「嗜癖」を調べてみると、物質嗜癖、過程嗜癖、関係嗜癖とある。
コラムでは「物質への依存」とあるので「物質嗜癖」に限ったものであろうか。
ポイントは、「嗜癖の連鎖」である。たばこ、ギャンブル、薬物、酒、ネット、ケータイ、暴力、恋人・・・。これらは嗜癖に。