Management

損切りと利益確定

あれは城山三郎の作品だったと思う。

ある投資家の話。
ある年の暮れ、投資はめちゃくちゃマイナス、先物で買い取った小豆の山、という状況でとても不機嫌だった。

しかし、年が明けると、それまでの不機嫌が嘘のように機嫌が良い。

なぜかと聞くと、「これまでのマイナスがゼロになったから」という。

ただし、何か別の投資で稼いだというわけではない。
マイナスだった成績は、昨年のこと。昨年1年間の帳簿は締め、また新たな年が始まったからゼロからのスタートというわけだ。

年の初めは、サンクしてしまったことは置いておいて、心新たに投資を始めるのである。
まもなくやってくる1年の終わりと始まり。

まさに、これと似ている。

人生は生まれて死ぬまでが一区切りだが、途中を1年間、半年、3ヶ月、と勝手に区切りをつけているからやっていけるようなものである。

年が明けたら、前年の損は忘れ、当年はプラスを目指す。

年が明けたら、前年の得は確定して、また当年のプラスを目指す。
前年のマイナスを当年で取り返そうとするよりも、プラスを作り上げるようとする方が楽しい。

と私は思う。

個人的経験に頼るほど危険な時代、意思決定の拠り所はどこ?

そうなんです。経験は必ずしも役に立つとは限らないんですよね。

MBA推薦図書館に新しいページ を追加しながら考えました。

次に来る展開が、経験したケースと同じであれば、経験はとても役に立ちます。

でも、そうでなければ、経験が邪魔をすることになってしまいます。

テンポがゆったりとしたもので、変化が少なかった時は、経験を頼りにできましたから、経験を積めば積むほど結果もともなっていました。

しかし、今は、環境が変化が激しく、予測困難な時代といわれます。

変化どころか変質さえしてしまうことも珍しくありません。
その場合には、個人の経験則に頼るよりも、より幅広い経験則を参考にした方が良いといえます。

個人の経験を超えたもの、つまり他の人の経験です。

さらに、上下左右、斜め横、前後ろ・・・自由自在に身を触れるようにしておくためには、原理原則に立ち返って、下手な予想の元に行動しないことがベターでしょう。

その意味で、経営者としての心の拠り所としてのこれらの書籍 は、必ずやヒントを与えてくれるでしょう。

ついつい、全部買ってしまいそうになりましたが、今日は「創造する経営者 (ドラッカー)」だけにしておきました。

ちなみに、戦略を語るなら孫子は必読書です。私も「孫子の兵法」は持っていますが、深く為になります。

ビジネスにおけるタブーの話題-普天間移設

ビジネスにおけるタブーの話題といえば、宗教と歴史認識。
これらの2つは絶対に話題にしてはならない。万が一話題に触れてしまったときは、消化不良でも途中で「まぁまぁ、この辺にしておきましょう」と終わりにすることがスマートである。

特に、外国人との場合は、要注意である。
トコトン話してしまったりすると、両者の間に埋められない溝ができてしまう場合がある。
だが、これら2つの話題がどうしてタブーなのかわからない、という方も少なくないようだ。
そういう私も経験からこれを学んだのであって、当初はタブーだなんて思いもしなかった。
歴史認識についていえば、例えば、絶対に戦争の話は禁物である。
その理由をここで軽々しく書くことも不適切だと思うが、問題提起されているキーワードだけを羅列する。
南京虐殺の存否、従軍慰安婦の強制性、捕虜虐待の有無、侵略か否か、原爆の正当性、真珠湾攻撃・・・
日本の軍隊が行った国や地域は、朝鮮半島、中国、フィリピン、タイ、台湾、マレー半島、アメリカ、ロシアなど広域に及ぶ。
それらの土地で、当時植民地にしていた国の軍隊と衝突し、犠牲になった現地人もいる。
それぞれが間違っているにしても、正反対の認識を示す場合もあるから、ビジネスにおいては、この問題には見て見ぬ振りをするのである。

宗教について言えば、例えば、キリスト教は一神教である。だからキリスト以外には神はいないのである。
だからといって、他の宗教を認めていないわけではない。他の宗教にはそれぞれ信じる神がいることはわかっているし、認めてもいる。
だが、キリスト教を信じる人に、自分の信じる宗教の教えを展開したときに、相手を否定していると受け取られてしまう場合がある。
また、単にキリスト教とここで書いたが、カトリック、正教会、プロテスタントなどあるので、そういったことも念頭においておくこともポイントである。

さて、前置きはこの辺にして、最近話題の「普天間移設」。
これは日本人同士でうかつに話題にしてはならないものになりそうだ。
なぜ、鳩山首相らが結論を先送りしているのか、どうもその裏には次のような問題があるようだ。
・年間約2000億円の在日米軍駐留経費負担 (思いやり予算)
・日米地位協定
・そもそも、なぜ日本に駐留させるのか。

普天間移設計画を見直すべきかどうか話題にすると、これらの問題が噴出し兼ねない。
それぞれに賛否両論があるだろう。

例えば、「日本は戦争を放棄した国、他国からの侵略を防ぐためにも必要。だか計画を見直す必要はない」と言う人。
「だからといって、日本に不利な地位協定は受け入れがたい。この際全て見直すべきだ」と考える人。
などなど、さまざまな見解があるかもしれない。
真剣に討論してしまうと結局、右と左に分かれての激論に為りかねない。

気をつけないと。。

デフレ 大歓迎?!

物価が下がり続けている。過去最大級の下落率という。

総務省 統計局ホームページの「生鮮食品を除く総合・前年同月比の推移(全国)」を見ると、1971年から1998年まで一貫して上昇し続けてきている。
しかし、1998-1999年をピークに下落傾向にある(あった、か?)。

ここからは見方次第であろう。
2000年から下落基調にあるとみるか、2005年を境に上昇に向かっているとむるか。
2008年には急激に上昇したから、そのしわ寄せが2009年に来ている、とも読み取れる。

さてさて、本日のお題は「デフレ 大歓迎?!」である。
話しをわかり易くするためにたんす預金を考えてみる。
たんす預金は増えないが、物価が下がれば相対的に価値が増す。

下図は、2009年は1994年並の物価であるから、14年塩漬けのたんす預金の価値は変わっていないのである。
20世紀末から見れば、なんと、プラス6.8%。年率換算で0.66%である。
このまま物価が下がり続ければ、約束された将来の年金額の価値がどんどん上がり続けることになる。

外貨での運用が年率2.0%、日本円での運用が年率1.0%であっても、物価が下がり続ければプラスアルファが見込めるのである。
ここに為替リスクを考慮すれば、日本円での運用の方がよい場合もある。
「日本は低金利、海外は高金利」という図式は慎重に読む必要がある。

引用:総務省 統計局ホームページより http://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/zuhyou/0581h10.xls (2009年11月27日アクセス)