Management

任せることのできない管理職、結局時間があるから

権限を与えたら、それに対し全責任を持たせるのと同時に、信頼して任せることが大切だ。
なぜって、まず何よりやる気になるじゃないですか。

「後はお前に任せた、お前が決めろ」

と言われたら、
俄然やる気になる。自分のため、組織のため、最良の結果を出そうと最善を尽くす。
後で、良かった点、悪かった点を反省し、次につなげることで成長する。
重圧を乗り越えた経験が自信につながる。

それだけじゃない。
任せた方も仕事量が減り、別の領域に進出できる。
周囲の人たちも、上へ引っ張られる。
しかし、しかしである。

「任せた」と言いながら、意思決定が自分の意向に沿わないと認めない。
「そんなのダメだ。こうしろ。」と指示する(アドバイスじゃなく)。
出来上がったものを手直ししてしまう。
他の人にやらせてしまう。
「俺がやる」と言い出す。
...無責任な行動です。

いったん任せたんなら、要件を満たしている限り、任せとおすのが人としての筋でしょう。
結局、任せられない人が少なくない。
これが続けば、やる気は失せ、成長は見込めず、自分は「忙しい、忙しい」と言い、次の一手が後手に回る。
スカイマークの機長(派遣)が風邪のため声が出せないCAの交代を求めたら、社長と会長が出てきて機長の方を交代させた。
社長と会長は暇なのかな?
機長の権限が明示されているんだから、任せるべきである。

機長は事故が発生したら、誘導するときに大声が出せないと安全が確保できないという理由でCAの交代を求めた。
特に、パイロットは、万が一のとき、自分だけが助かるという策はない。乗員も乗客も互いに命を委ねている側面もある。地上にいる人たちとは状況が違う。
なおさら、権限を尊重すべきだ。
権限を与える時に、もう1つ必要なのはチェック機能です。
要件(目標)を決めて、チェック(測定)する仕組みを持つことです。

低価格、高性能、顧客関係・・・どれが1番重要か

Michael Treacy, Fred Wiersema (1995) THE DISCIPLINE OF MARKET LEADERS,
(小原進訳 (1995) 『ナンバーワン企業の法則―カスタマー・インティマシーで強くなる』 日本経済新聞社)
を本棚から引っ張り出し、改めて読んでみた。
次の3つの中で、あなたのビジネスにおいて1番重要なものはどれか?
・低価格商品の提供
・高性能商品の提供
・顧客との関係構築

この問いに「全部」と答えた人は成功が遠い、という。
プロローグで「本書は、走るべきそのレースをどう選ぶかを論ずるものである」と言っている。
さらに、「いかなる企業も、すべての人にすべてのことを与えようとしては成功できない」とも言っている。
そして、「成功するにはその企業だけがある選ばれたマーケットに提供できる独特の価値を発見しなくてはならない」と。
【重要な3つのコンセプト】
第1:価値理念の提示
価格、品質、効率、選択、便宜性など

第2:(価値理念を起動力とする)オペレーティング・モデル
経営システム、ビジネス構成、企業文化など

第3:(価値理念とオペレーティング・モデルを組み合わせて市場での最善にする)価値基準
価値基準は次の3つ。
オペレーショナル・エクセレンス
プロダクト・イノベーション
カスタマー・インティマシー

(オペレーショナル・エクセレンス)
平均的な製品を最良の価格で、効率的に提供する。
コモディティを最安値で提供できる仕組みを持った企業といえる。

(プロダクト・イノベーション)
革新的な他にはない商品を提供し続ける。
製品の性能での競争である。

(カスタマー・インティマシー)
顧客との親密性を徹底的に追求する。
カスタマー・リレーションシップを重視することである。

【価値基準の選択】
3つの価値基準全てを身につけようとすべきではないし、1つを選択して残りの2つを放棄することでもない。

価値基準の選択をするには、自分の顧客が最も気にかけていることを知らないといけない。
だが、一般的に顧客に何を求めているか聞けば、値段は安く、革新的な商品を、顧客との接点を多くして欲しいというだろう。
つまり、全てを望んでいるわけである。
この顧客の声によく耳を傾け、顧客が望むとおりにする企業はずるずると坂を転げ落ちていく。

Clayton M. Christensen (1997) THE INNOVATOR’S DILEMMA,
(伊豆原弓訳 (2000) 『イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』 )
でも見られるように。

これらの例は、成功の大小に関わらず、多くの企業(経営者)に見られる。
「どれが一番大事か。さらなる成功のためには何を優先的に為すべきか」という質問に、「全部大事だ」と答える。
「では、何から最初に手をつけるか」と聞くと、1つ選ぶが、しばらくすると忙しさや、売上低迷の恐怖から、全てに満遍なく手を付けている。

今日のマーケットリーダー企業は、自らが強調しようと選んだ価値の1要素で顧客の期待感を高めている。

調子を取り戻す1つの方法

仕事の都合で、中途半端な時間に、中途半端な夕食しか取らなかった。

そのせいで、帰路、23時過ぎに最寄り駅に着いたときに小腹がすいてしまった。
もう、その時間の選択肢は限られている。コンビニ、牛丼屋、マック。
だが、時間的にあまり重たいものは避けたい。
そこで、マックに行くことにした。
ベーコンポテトパイとオレンジジュースを受け取って席に着いたときに、フト若返った、気がした。

学生時代、最終電車が去った後の渋谷のマイアミにタイムスリップしたのである。

店員以外の声はほとんどなく、静かなざわめきがあたりを支配し、なんとなく疲れた雰囲気を醸し出している人や、無駄に時間を潰しているように見える人。。。
そういった諸々のことが、これから訪れる長い夜を予感させた。
マックで、その状況にに予期せず突入したのだ。

そうしたら、当時の気持ちにスッと置き換わった。
無意識に学生時代の自分が呼び戻されたのである。
無責任で、身軽で、将来の不安もない刹那的な自分。
なんとなく気持ちよかった。いつまでもそのままでいたいと思えるような。
だが、私は知っている。
このまま朝までそこにいたら必ず後悔することを。
明け方5時を過ぎたころ、なんとも言えない疲労と、無駄に時間を過ごしてしまったことへの後悔。
寝不足で判断がおかしくなっていることも作用して、ネガティブな考えが渦巻く。
.....私が書きたかったのはそういうことではない。
環境を変えることで、自分も変われるという一例である。

もし、スランプに陥ったなら、調子の良かったときの行動パターンを思い出して、再実行してみたらよい。

私は、スランプに陥ったときに、散髪を、以前行っていた美容院に帰ることで調子を取り戻した経験もある。

グローバル化後の国際化とはどういうことか

「ワロタ ”売上高増加分の大半を海外市場でまかなうとしている。”」

「かくあるべし。」
「さすが、考える事がグローバル!!でも僕も負けてらんないなー」
「地元意識が弱い会社はやることがハデだなぁ。どっぷり地づいてた前の会社では、海外法人への「大量転勤」計画が出ただけで人材流出が始まったというのに」
「周囲を無視し続けてこのまま行ったら問題だと思う。自分(の派閥)さえよければいいとう政治家みたいな自己基準はリーダーとしてどうなのか?」
賛否両論が並ぶ。
今の日本の意識をうまく表しているように思える。
http://bit.ly/info/6FeDx9
これは、下記のユニクロの「民族大移動」のニュースに対する「ネット反応」である。


ユニクロが「民族大移動」 年内に数百人を海外勤務に
1月4日20時12分配信 産経新聞
カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは4日までに、年内に数百人規模のグループ社員を海外に転勤させる方針を明らかにした。中国や韓国、ロシアなどへの積極的な出店に伴う措置。現在の海外勤務者数は約100人で、一気に数倍に増やす。グローバル企業を目指す中で、社員の意識改革を促す狙いもある。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100104-00000591-san-bus_all


これまでトヨタやホンダがやってきたような海外進出の形とはまったく異なる。

グローバル化前の国際化は、現地の品質を日本人が求めるレベルにするための「現地人の日本人化」が目標であった。
だが、グローバル化後の国際化は、「日本人の現地文化理解に基づいた国際化」が鍵だ。「日本人の現地人化」ではない。
あなたが国際化するとはどういうことだろうか。世界中を飛び回ることでもないし、外国語ができることでもない。
フラットな地球の遠く離れたところを理解することである。

そして、それぞれの国や地域の文化に浸ることで、それぞれのニーズを把握し、グローバルのニーズにまとめあげることである。
そしてそれができない、やりたくない、という人は会社から去ってもらいたい、ということもあるはずだ。

これは勝手な憶測だが、恐らく、日本発のグローバル商品の開発を目指しており、裏返せば、日本からガラパゴス(日本)仕様の商品や店舗の割合を減らすことで国際競争力を高めようというものであろう。また、日本人への新しい文化の提案も目論んでいるのであろう。

私は大、大、大賛成である。
日本人の半分が、アジアを軸にした海外文化に浸り、自らの糧にしたら凄いことになると思っている。
これは、日本文化を捨て去ることでもないがしろにするものでもない。

それは、経済だけではなく、愛情の向上である、あって欲しい、と思う。