Management

コースの定理は逆向きに使う

社内よりも社外で取引した方がコストが安い、ということが多くなった。インターネットの仕業である。

それは企業にどんな影響をもたらしているであろうか。

「ウィキノミクス」
インターネット上の価格や信頼がベンチマークとなり、企業努力はそれと勝負するか、全く別の付加価値を提供する能力が求められるようになった。

「コースの定理」
ある作業を社内ですべきか社外に依頼すべきか、意思決定の要素はシンプルである。
コストの低いほうを採用すべきだとする。
回数の少ない作業は社外で、そうでな場合は規模の経済を追求することになる。
したがって企業規模は大きくする方向へ向かい、コストを低くするのである。
しかし、社外取引コストが圧倒的に低くなった今、「企業は規模を縮小すべき」だという。

不満の裏には商機あり

米国の医療保険改革が新聞で紹介されていた。

国民皆保険。世界でも稀な制度で日本では既に実現している。
70% OFFで医者にかかったり、薬を買うことができる。

米国では任意で保険に加入することでリスクをヘッジする。
だが、家計が厳しい人は医療費支出のリスクどころか、健康に対するリスクもとらざるを得ない。
そこで、この度、米国でも100年の時を超え実質皆保険を目指すが制度化された。

だが、企業にとっては大いに不満であるという。
それは私も理解できる。
保険料を負担するだけでなく、各従業員ごとの保険料の計算、徴収、払込はこの上なく手間がかかる。
国から報酬をもらいたいくらい手間がかかる。

・入社、退社の度に資料を提出しなければならない。
・保険料は1円未満の端数もあってややこしい。
・被保険者負担分の端数は四捨五入ではなく、50銭以下は切り捨てとする。
・介護保険第2号被保険者は、40歳以上65歳未満の方であり、保険料が異なる。
・それに半年毎に保険料率が変わり、その度にこれらを繰り返し確認しなければならない。
・賞与からも保険料を徴収しなければならず、計算方法が異なるし、支給額等について毎回提出しなければならない。
などなど。
さて、不満を持っている企業が多いということはビジネスチャンスでもある。
・制度を正しく理解し、実行や支援できる人
・申請や保険料計算をするアプリケーション
・既存の人事システムのenhancement
・人事担当者への教育
など。

不満の裏には商機あり、ということでしょう。

Facebook と TDR の共通点は?

米国にて、3月の第2週、訪問者数が一番多かったWEBサイトは...
Facebook だったそう。
(米ヒットワイズ発表)

これまで首位の米グーグルをついに追い抜いた。
「検索サイト=ポータル」という方程式が崩れつつあるのかもしれない。

検索サイトがネットのポータル(入り口)でなければならないということは、当然ない。
これまでは、ネットに何があるのか、探し物がどこにあるのかわからなかったから、検索サイトがその手助けをしてきた。
だから、必然的に検索サイトがネットのポータルという役割も持つことになっていた。

だが、ネットがある程度整理され、また、分散していた情報が集約され、いくつかの大きなサイトで用が足りるようになってしまったら検索サイトの存在感は薄れてしまうだろう。
次は、日本。
顧客満足度ランキングの1位は...
東京ディズニーリゾート(TDR)。
(サービス産業生産性協議会発表。小売・サービスなど29業種291社が対象の調査)

2位以降に低価格が売りの企業が続いているのを見れば、TDRが別格だと言える。
それなりにコストを払うことになるんだけど、それを超えて満足させているというのは、多くの企業が目指したいと思うんじゃないでしょうか。
それはつまり、とても高い付加価値を創出している、ということだから。
さて、Facebook と TDR の共通点は何だろうか?

1つは「場」である。
Facebook は人を知り、つながる場。
TDR は夢のような体験ができる場。
どちらも、物やサービス、情報自体の価値が高いわけではない。お客の積極的な行動を伴って価値が生まれる「場」であろう。
TDRは「そこに居るだけで幸せ」という人は少なくない。

そのほかの共通点は、えーと、それだけかな。