企業価値

PBR (株価純資産倍率)は何を示しているのだろうか。

東京証券取引所のページから引用すると、「price book-value ratioの略称。投資判断指標の1つ。株価を1株当たり株主資本(純資産)で除したもので、株価が1株当たり株主資本の何倍まで買われているのかを示すものです。」とある。

PBRが1以上の会社の場合、「株価×発行済み全株数」は、「総資産-負債総額」よりも多いことを意味する。その多い分は何を意味するのか。会社の将来の可能性ではあるが、ではその可能性とは何かというと働いている人々の可能性であるといえる。
人々の可能性を引き出すものは何か。偶然だろうか、いわゆる外部環境の変化だろうか。

ドラッカーは『チェンジ・リーダーの条件』で、『マネジメントとは、人間に関わることである。その機能は、人が共同して成果をあげることを可能とし、人の強みを発揮させ、弱みを無意味なものにすることである。これこそ組織の目的である。』といっている。

その会社で働く人達がマネジメント機能により、お互いに協力し、知恵を出し合い、事業に転換していく能力ということだ。

PBRはミドルマネージャを含むマネジメントの価値を表しているといえる。どんなに素晴らしい人々がその会社で働いていようとも、それを組織するマネジメントが不在であれば、価値を生み出すことはできないだろう。
私は改めて自らのミドルマネージャとして重責を認識する次第です。

今井・金子 『ネットワーク組織論』 岩波書店

今井賢一・金子郁容 『ネットワーク組織論』 岩波書店
約20年前に書かれた本だが、今でも十分通用する非常にいい内容だと薦められたので買って読んでみた。

プレゼンは戦略をもって 」で紹介した、ジョー・ティッド/ジョン・ベサント/キース・パビット (後藤晃/鈴木潤 訳) 『イノベーションの経営学』 NTT出版とも通じる内容で興味深かった。

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networkorg ネットワークというコンテンツの上にコンテクストを見出せるというもの。
組織は必要に応じて伸縮性のあるネットワークでもってコンテクストをつくりだす。誰もが予期しなかったネットワークにより、市場の均衡を破壊し、生産活動が行われ、古いシステムが駆逐される。
組織は取引コストを節約するために情報を内包したり、情報を持つ別の組織とネットワークを結ぼうとするが、市場にある情報は動的に変化してしまう。しかし、そのネットワークの上にメッセージが乗ることで、シナジー効果が発生する。
これは、『イノベーションの経営学』 に出てくる「外部とのリンケージ」と同じだと思った。

また、ネットワークの中心に発生したパワーがリーダーの源泉。パワーが適切に使用され、メンバーが承認したときに、それまでの水平的な関係が垂直的な関係に転化したことを意味するというところも、「あーなるほど」と思った。

新人のOJT

今年の4月に入社した新人に、まずは小さな成功を重ねて仕事のやり方を覚えてもらうのと同時に、自信をつけてもらおうと計画した。

そこで、私にとっては簡単なプロジェクトの一部を任せた。それは、Oracleの9iから10gへのアップグレード。私なら半日あればOracleのセットアップからデータ移行まで出来る内容だったので、多めに見積もって5日間与えた。もちろん、必要な情報は全て提供して。しかしながら結局10日間かかってしまった。

一番の原因は予期せぬ障害が発生したことだ。それはかなり経験ある人でも気づかないようなOSレベルの障害だった。その判断を下したときには既に8日間が過ぎていた。まだリカバリできる時期だったのでしばらく悩んでもらおうと放っておいたが、結局私が確認して、OSから入れなおすことにした。ポイントはこの判断をいかに早く行うかだが、やれることの全てを知っていないとそれができないことに気づいた。

でも何10回もOracleのセットアップをできたし、データベースの作成なども何度もやれたし、関係者に説明して謝っていたし、非常にいい経験になったと思う。

私が一番恐ろしいと思う経験は、最初から全てがスムーズに終わってしまうことだ。案外記憶に残らないし、学ぶことも少ない。にもかかわらず、変な自信がついてしまい、甘く見てしまい、絶対に失敗してはならないときに失敗してしまうことだ。