小山内 裕

将来有望 ネット関連企業の未公開株 買うなら今

米ゴールドマン・サックスがFacebook(フェイスブック)に4億5千万ドルを出資するという。
ゴールドマンは投資会社だから当然、出資額より多いリターンを得られる見込みを持っているわけだ。
取得した株を売ってもうけるのである。

そう、数億ドルものお金はゴールドマンから出てくるわけではない。
Facebookの株はまだ公開されていない。
ゴールドマンはSpecial Purpose Vehicle(SPV、特別目的事業体)を設立し、別の投資家からお金を集める。
集めたお金でFacebookの株を取得する。取得した株は投資家に渡す。

ゴールドマンはSPVを使って株の売買を独占的にできるようになる。
SPVの投資家は複数存在するが、Facebookからみれば投資家はSPV、ただ1人である。
米国では、Facebookのような将来有望なネット関連企業を中心にこのような未公開株の取引が活発らしい。
企業側は、このような形で株式を公開しなくても十分な資金が得られるのであれば、友好的な関係を持つ証券会社と手を組み、長期的な視点で安定した経営が効率よくできるメリットもあるだろう。
それは最終的には顧客の利になるのだから、悪いことではない。

最後に1つ、付け加えておく。
「将来有望 ネット関連企業の未公開株 買うなら今」という詐欺があるので、その会社に詳しくない投資家は手を出さないように。

(参考:日本経済新聞 2010年1月7日付朝刊)

私にとってはあなたが必要です

「子ども自身が社会に必要とされていると実感してもらうことが大人の仕事」
そしてこの仕事が広い意味での教育だという。
これは千葉市長 熊谷俊人さんの言葉である。(朝日新聞 2011年1月7日付け 朝刊より)

私はこの言葉に同意する。

「好きこそものの上手なれ」
好きだから、楽しいから、やりたいから、一生懸命にやる。
こういう能動的な気持ちが上達へのすなおな道筋の始まりだ。

必要とされているから、あの人のためになりたいから、役に立ちたいから、諦めたくない。
迷いなく、突き進む原動力となる。
私たちは子どもたちにどんな教育を提供できているだろうか。
国語、算数、理科、社会、英語、体育、音楽、道徳・・・

カテゴライズされた学問を並べてみた。
これらは教育の一部であって教育すべてを言い表しているわけではない。

一方、会社でも同じことが言える。
「私の会社は社員教育に力を入れており、環境が整っている。プレゼンやコミュニケーションの研修から、エクセルやITシステムなどの研修までメニューが取り揃えてあり、社員は必要があればいつでも無料で受講できる」

これだけでも十分、会社としては大変なことである。
お金も費用もかかる。ここまでできている会社は世の中に10%もないだろうと思う。
しかし、これだけでは効果が小さい。

やはり、好きな仕事、人の役にたっていることが実感できる仕事、自身が必要とされていることがわかる仕事に就いていて、目標達成のために研修を受けたい、と思える会社であり、その機会が用意されていたら、最高だ。

昨今の情勢から、社会に必要とされていると感じられる仕事を見つけられたら、それだけで幸せだと思う。

ビジョナリー・カンパニー

ジェームズ・コリンズ、ジェリー・I・ポラス 『ビジョナリーカンバニー』より。

ビジョナリー・カンパニーとは、ビジョンを持っている企業、未来志向の企業、先見的な企業であり、業界で卓越した企業、同業他社の間で広く尊敬を集め、大きなインパクトをよろしくお願いします。世界に与え続けてきた企業のことです。

さて、次の12項目の内、ビジョナリー・カンパニーに当てはまるものはどれでしょうか。
1. すばらしい会社をはじめるには、すばらしいアイデアが必要である。
2. ビジョナリー・カンパニーには、ビジョンを持った偉大なカリスマ的指導者が必要である。
3. とくに成功している企業は、利益の追求を最大の目的としている。
4. ビジョナリー・カンパニーには、共通した「正しい」基本的価値観がある。
5. 変わらない点は、変わり続けることだけである。
6. 優良企業は、危険を冒さない。
7. ビジョナリー・カンパニーは、だれにとってもすばらしい職場である。
8. 大きく成功している企業は、綿密で複雑な戦略を立てて、最善の動きをとる。
9. 根本的な変化を促すには、社外からCEOを迎えるべきだ。
10.もっとも成功している企業は、競争に勝つことを第1に考えている。
11.2つの相反することは、同時に獲得することはできない。
12.ビジョナリー・カンパニーになるのは主に、経営者が先見的な発言をしているからだ。






本を読んだことのある方ならご存知のことでしょうが、すべて当てはまりません。

組織のあるところ、どこででもこれらについて考えてみるといいでしょう。
例えば、国だってそうです。
今の日本を良くするにはすばらしいアイデアも、偉大なカリスマ首相も、なければならないものではありません。

組織力アップのライブラリー

トニーシェイの『ザッポス伝説』では、組織文化の重要性を述べるとともに、強化するために試したこと が紹介されていた。
私も会社の仲間に「この本、みんなも読んだらいいのにな」と思い、紹介することが時々あった。
だけど、ピンポイントで1冊を紹介されても、今はその本は読みたいと思わないかもしれない。
何冊かまとめてあって、その中から今読みたいと思うような1冊を選べる方がいいだろう、そう思って会社に推薦図書のライブラリーを設置した。

本は私の自宅の本棚から17冊を選んだ。

No.1企業の法則
ウィキノミクス
ウェブ進化論
エクセレント・カンパニー
グーグル革命の衝撃
ザッポス伝説
社長が知らない秘密の仕組み
情報力
ダイレクト・モデル経営
デルの革命
ネクストマーケット
ビジョナリーカンパニー
ビジョナリーカンパニー2
ヒトデはクモよりなぜ強い
フラット化する世界1
フラット化する世界2
もし高校野球のマネージャーが…

私たちはもはや、インターネットを完全に無視してビジネスを展開することはできない。
いうまでもなく、誰もがインターネットをいかに活用すべきかを真剣に考えている。
だけれども、インターネットの本質は何なのか、以外とその理解を持っている人はほとんどいない。

なぜ、インターネットは無料なのか。
なぜ、インターネットを使う人が多いのか。
なぜ、インターネットで商売をできるのか。
そもそも、インターネットとは何なのか。
インターネットを活用して成功している企業の共通点は何なのか。

だが、それらはそんなに重要ではない。

インターネットでは何でもできそうなイメージがあるが、できることはほとんどない。
だからこそ、そこには、人と人の関わりあいの本質的なものが際立って見えている。
そこに気づくかどうか、が人生を豊かにするきっかけがあると、私は思う。

なので、仕事に直接生かせるようなものではなく、自分自身のためになる本を選んだ。