米ゴールドマン・サックスがFacebook(フェイスブック)に4億5千万ドルを出資するという。
ゴールドマンは投資会社だから当然、出資額より多いリターンを得られる見込みを持っているわけだ。
取得した株を売ってもうけるのである。
そう、数億ドルものお金はゴールドマンから出てくるわけではない。
Facebookの株はまだ公開されていない。
ゴールドマンはSpecial Purpose Vehicle(SPV、特別目的事業体)を設立し、別の投資家からお金を集める。
集めたお金でFacebookの株を取得する。取得した株は投資家に渡す。
ゴールドマンはSPVを使って株の売買を独占的にできるようになる。
SPVの投資家は複数存在するが、Facebookからみれば投資家はSPV、ただ1人である。
米国では、Facebookのような将来有望なネット関連企業を中心にこのような未公開株の取引が活発らしい。
企業側は、このような形で株式を公開しなくても十分な資金が得られるのであれば、友好的な関係を持つ証券会社と手を組み、長期的な視点で安定した経営が効率よくできるメリットもあるだろう。
それは最終的には顧客の利になるのだから、悪いことではない。
最後に1つ、付け加えておく。
「将来有望 ネット関連企業の未公開株 買うなら今」という詐欺があるので、その会社に詳しくない投資家は手を出さないように。
(参考:日本経済新聞 2010年1月7日付朝刊)