小山内 裕

仕事が空回りするとき

仕事がカラカラ空回り、そんな経験はないでしょうか。または身近にそんな人はいないでしょうか。

とても頑張っている、すごく真剣に考えている、やる気もある、積極的に提案もしている・・・けれども、なぜか結果はイマイチ。思い描いたようになかなか進まない。 それはなぜでしょうか。

ある人を見ていて、その理由に気づきました。今さらですが今日気づきました。
そして私が過去に転職活動をしていたときのことを思い出しました。

カラカラ空回りする理由、それは、やりたいこと、やれること、やらなければならないこと、これら3つを正しく理解して適切に行動できていないか、3つを認識していてもそれらの重なり合う部分がほとんど無いかのどちらかのようです。

こんなことがありました。
「WEBサイトの保守」を担当するAさん、もっとも興味のある分野であり、頑張った甲斐あってキッチリと結果を残すことができました。この仕事はAさんの「できること」の1つです。
またその分野での知識、経験、人脈をこれからも育てていきたいと考えており、「やりたいこと」でもあります。
やがて、組織の成長にともないAさんの担当分野は相対的に貢献度が低くなってしまいました。所属するグループでは新たなサービスの開発が求められ、Aさんも1つのことだけをやっていればいいという考えを変えることが求められました。
つまり、Aさんにとって「やらなければならないこと」が変わってしまったのです。
Aさんは自分の仕事を理解されていないためにこうなったのだと考え、仕事そのものの重要性や毎日何をやっているかを訴えるアピール作戦に出ました。
そうこうしているうちに、アピールもむなしく、後からやってきた新人のBくんなら、半分の給料で8割くらいの成果をあげられることもわかり、Aさんの仕事はBくんに引き継がれることになりました。

あわてたAさんは、あれこれ手を伸ばし始めました。新しい仕事を生み出すべく努力を始めました。各グループの課題や要望を聞いて回りました。そしてすぐさま、あれこれと上司に提案をし始めました。
どれもが「WEBサイトの保守」と言えるもので、グループで進めている新サービスの開発に関わるものではありませんでした。
どうしても「WEBサイトの保守」をやりたいAさんは、裏でBくんに指示を出し、何とかそこで結果を示そうともしました。
そんなこんなで2カ月間「WEBサイトの保守」につながるかもしれないタスクを積極的にこなしましたが、期待したようには評価されず、むしろ的外れな提案の連続にグループ内では倦厭されるようになってしまいました。
やがて、Aさんはどうしたかというと、「WEBサイトの保守」を求めている他の会社へ転職していきました。
Aさんは空回りする職場を離れ、やりたいこと、やれること、やらなければならないことが一致する環境を得たわけです。

 

次はステップアップを目指した私の転職活動での経験です。
2000年ごろ、私はWEBサイトの管理・保守・開発と幅広くやっていました。やりたいこと、やれること、やらなければならないことの3つはピッタリ一致していました。やりたいことをチャチャっとやれば評価される状況です。
それが過剰な自信につながり、もう少し複雑な環境でもできる、だから給料も上げられるはずだと思うようになりました。
ステップアップするにはどうしたらいいかと考え、安易にコンサルティングを目指すことにしました。なぜなら比較的給料がよかったからです。
やりたいことはコンサルティングですが、今いる会社ではそのポジションがない(やらなければならないことでない)。そこで、転職活動を始めました。
面接まで進み、和やかに終わるのですが、経験がないので、どこに行っても採用されませんでした。私の目論見に反して、今やっている仕事でなら採用できると言われる始末でした。さんざんやった挙句、私はコンサルティングができないことに気付かされました。
やりたいこととやらなければならないことを一致させようと転職活動をしたのですが、やれることが伴わなかったのです。
転職活動を進めるうちにわかったのですが、本当に私が価値を置き、やりたいことはコンサルティングではなかったのです。
つまりは、やりたいことも、やれることも、やらなければならないことも全てが一致していなかったのです。
面接ではそんな私に親切にも水を向けていただいたのですが、やりたいと思い込んでいたコンサルティングに固執し、それに応えることができなかったのです。
これをきっかけに、コンサルティングは私のキャリアプランから外すべきだと確認するに至りました。

 

やりたいこと、やれること、やらなければならないこと--- この3つを一致させるのは思いのほか簡単なことではありません。
3つはそれぞれ目標、能力、需要という言葉に置き換えることができます。大企業ですら見誤ることがあります。
需要を察知したら、市場における自分のポジショニングを決め、できるととできないことを見極めて取り組むことがコツではないかと思います。

メーカー vs 家電量販店(最高益更新)

Facebookで面白い投稿があった。

某メーカーに勤務する人からの投稿だ。
日経のこの記事 「家電量販5社の経常利益、過去最高に 」 を引用して、

「メーカー各社の損益は青息吐息の一方で家電量販店が一斉に過去最​高益を更新している。
ゲームの不全は明らかなのだと思う。処方箋​はひとつ。ゲームのルールを変えるしかないのだろう。(以下省略)」

つまり、作り手にはほとんど儲けがないのに、販社は過去最高益を出しているなんて納得できない、ということなのである。

そこで私は考えた。
本当だろうか。そしてなぜだろうか。
さかのぼる事15年くらい。インターネットが普及し​出した時、販社は存続が厳しくなると言われていた。
メーカーと消費者がダイレクトに取引できるの​で、卸や小売は要らないというのである。
消費者は販社が得ていた中間マージン分安く商品を購入でき、メーカーは顧客の声を直接聞いて製品開発に反映させることができる、などといいことばかりが闊歩していた。

さて、実際にはどうだったかというと、メーカーと消費者の中間に位置する、家電量販店や価格比較サイト​、ネット書店など、が利益を出し​ているケースが目立つ。
最初の話にもあったように、メーカーは力を落とし、仲介者は力をつけたのだ。

仲介者は単に商品​を右から左に流しているだけではなく、顧客囲い込みのために試行錯誤をしたのだ。たとえば、ポイント制度など典型的な例。
メーカーは、というと努力していなかったわけではない。むしろ、売れる製品を作り続けた結果、販社が利益を出せたのである。
つまり、メーカーは、投稿にあった「利益配分のゲームに負けた」のである。
だからゲームのルールを変えるしかない、というのである。

私はこれに賛成だ。
外を見ればアップルやサムスンなど、メーカーでうまくやっているところはある。
大きなマーケットでゲームのルールを変えるには1社では難しい。
そこで、今までの枠を超え、海外の友人知人を駆使して、今までにない枠組みでの提携を模索する必要があるだろうと思う。
積極的に外に出て、人間関係を築くことで何か新しい展開を見出せないだろうか。