「世界経済の展望と構造変化の行方」と題して、三菱商事 執行役員 国際戦略研究所所長である 藤山智彦 氏が公演を行った。
場所は虎ノ門の日本財団ビル。
6年間続いているスピーカーズコーナー・トウキョウの開催100回を記念したものである。
今回の内容に触れる前に、本題のスピーカーズ・トウキョウ が「地方からの日本再生」というテーマで来月2月初めに予定されている。
事例に基づいた講義が聴けるのではないかと期待している。
3回シリーズで3名の方が講師としてお話しをされるのだが、皆、会社のトップで、こだわりを持って事業をしている。
だから、その延長線上での話題が聞けるときっと役に立つに違いないと思っている。
実例を用いながらの話は飽きがこない。臨場感があるし、自分も経験したような気になる。
個人が経験できることには限界がある。
だから、いろいろな人の経験が聞けるのは糧になる。
まるで、幕末の志士が人づてに話を聞いて、見識を広めたように。
特に3回目は、東証1部上場のアルプス技研 創業者 松井利夫氏 の話しは是非とも聞いてみたい。
JALの再建に京セラ創業者の稲盛氏が会長として関与することになったが、生存する日本の貴重な創業経営者の1人である。
さて、今日のセミナーを私なりの解釈で概説すると、
「今後2年ほどの間に、新しい需要を作り出さないと、日本の経済はさらに落ち込み、回復まで長期を要するであろう」というもの。
この宿題は、1990年代のバブル崩壊から引き続きあるものだと思う。
2008年9月のリーマンショックや、アメリカのサブプライムローン問題に起因するものではないだろう。
例えば、トヨタのプリウスが大ヒットしたが、これは需要を創造できたといえないだろうか。
プリウスは、単にエコなだけじゃない。ガソリンを使わない夢の車なのである。
3年前、私もプリウスに乗ろうかと随分悩んだ。
リッターあたり37キロ走行、地球に優しいというよりも、ガソリンを使わないで走るということを考えただけでワクワクする。
ガソリン代を削減できるのと、電池交換のコストをシミュレーションして比較した。
週末くらいしか乗らない私には、ガソリン車の方が格段にコストが低かった。
だが、今でも乗りたい。エコカー減税が使えれば、トータルでガソリン車よりもお得かもしれない。。。
そうなのだ。プリウスの大ヒットを支えたのは、減税の側面もあるのである。
だから、まだ需要を創造したとは言いがたい。
前回「米マイクロソフト 2009年末 株式時価総額ランキング第3位 」で紹介したように、世界の時価総額の上位企業は、アメリカや中国が占める。
日本ではトヨタがトップだが、世界でみれば27位。
世界的に見れば、マダマダ、ということだ。
是非とも、トップ10入りする企業が日本からバンバン出て欲しい。
それはつまり、需要の創造、顧客の創造を世界的に実現する企業の創出でもある。
プリウスが定価でガソリン車並になったら、顧客の創造がもっと進むんじゃないだろうか。