小山内 裕

戦略はchoiceだ (by 嶋口先生)

MBAのクラス、楽しかったなー、今日も。
今日の戦略的マーケティングでのケースメソッドはゼロックス。
1980年代にゼロックスが顧客満足を追求して復活し、そして次にどうするか、ということをディスカッションした。

毎回思うが、皆いろいろな意見を持っている。
「3つあるうちのどの製品保障を選択するか」というQuestionで、各人が役員になったつもりで1つ選択した。
クラスは3つにわかれた。それぞれがそれぞれの論理的な意見をもとに選択した結果だ。またさらに興味深いことに選択した製品保障が同じであるにもかかわらず、その理由がまた人によって違うのだ。
それぞれきちんと裏づけのある理由だ。
ここでは実行段階にまで踏み込まなかったが、もしそうなったとすると、そこでもまた意見が割れるんだろうな、と思った。

ところで「戦略はchoiceだ」とは、良さそうな案が複数あった場合でも1つだけを選択し、一方で何かを捨てる、ということ。あれもこれもだとfocusがぼけてしまうから。
例えば、危機的な状況にある企業が、戦略的に顧客満足、利潤、マーケットシェアの内どれかを選択する決断をしなければならないとする。その場合に顧客満足を選択できるだろうか。顧客満足を選択するということは、結果的に利潤やマーケットシェアを落としたとしてもそれは仕方がないし、誰の責任も問われない、ということだ。
企業の原則に立ち戻れば「顧客満足を追求する」ことこそ永続性が得られる選択なのだ。

ドラッカーも『企業とは何かと聞けば、ほとんどの人が営利組織と答える。経済学者もそう答える。だがこの答えは、間違っているだけでなく、的外れである。・・・実際には、企業は高い利益をあげて、初めて本当の社会貢献を行ったことになる。』といっている。

EQが創る場と関係性

野田先生、熱い。話しているうちに情熱的になってくる。
野田先生はよく言う「人事ではやる気をいかに引き出すかが大切だ。方法は何でもいい。」
授業でもそれを体現しているのだ。
野田先生に限らず、多摩大学の先生方はみんな熱い。それがこの大学に決めた理由のひとつだ。
高いコストをかけてわざわざ大学にいかずとも、知識は身につけることはできる。
重要なのはその知識を使って創造する「何か」だ。創造をかきたてる授業が”私にとっては”ある。
これは合う人合わない人がいるでしょう。”私にとっては”この場がフィットしているということだ。
私は、私と相手(大学院、先生、学生など)との関係でアウフヘーベンが起こる場が創れるといいな、と思っている。

さて、学部のときに抱いていた先生に対するイメージとはまるで違う。
大教室でたくさんの学生がいて、先生は遠くで淡々と本の解説をする、それが私が学部のときのイメージであった。
しかし、よく思い返せば、ゼミの授業のときの関口功先生は違った。語るうちに熱っぽくなっていったのを覚えている。少し興奮気味だった。大教室での先生とまるで違うから、友達と驚きを共有したのを覚えている。
よくよく考えると、実は本当は先生方はみんな熱いのかもしれない。聞き手のレスポンス、何かを身につけてやろうというやる気が先生を熱くして、熱くなった先生を見て聞き手もまた熱くなる。先生と学生の関係性がお互いを楽しくしているのだろう。

それが昔、私が学部の時に知ることができたら。。。。そういう意味では学部の4年間の充実度は、この2年間分にも満たないような気がする。もったいないことをしたなー、あの頃の私はEQが低かったなー、としみじみ思う。
ま、とにかく今を一所懸命やるしかない。一度きりの人生だし。

お客様の本当の満足 (下)

(前回 の続きです。)

 

そうこうしている内に「Webおもちゃクリニック」を見つけた。
そこの「診療日誌」をみると同じ症状のものがある。しかもボランティアでなさっている。
早速メールを送ってコンタクトをとった。それから3日後には修理されたオルゴールメリーが返って来た。とても丁寧なカルテ付きで。
5つの意味で素晴らしい。
1つめは、ほとんどのおもちゃを直せる。診療日誌を見るとゲーム機、動く犬のぬいぐるみ、木馬などいろいろ修理している。
2つめは、10年以上ボランティアでやっている。すぐに私は商売にならないかとお金の報酬を考えてしまう。ボランティアの報酬はお客の喜びだけだ。それを得る方法を知っているからこそ10年以上も続けていられるのだろう。
3つめは、対応が早く品質がよい。到着したその日のうちに取り掛かっている。写真付でどこがどう悪くて、どのようにして直したかがわかるカルテを作成している。
4つめは、捨てられそうだったおもちゃが捨てられずに済み、ゴミが出ない。メーカーに修理を依頼するよりも新しいものを購入した方が早く安く済む場合がある。どこか矛盾している。
最後に、修理された物は、さらに大切に扱われるきっかけになる(だろう)。使えるものなら修理した方がよい。モノを大事にすることは愛着を育む、と思う。
湯沸しポットが壊れたときに、製造メーカーに修理を依頼したが、そのときは2週間くらいかかった。
どうして、個人の方がこんなにもフットワークがよく、気持ちのよい対応ができるのに、多くのリソースがあるはずの企業ができないのだろうか。
私はつくづく、特にサービスやサポートについて顧客は、友人、知人、ご近所さんがするような対応、フレンドリーな心がこもったボーダーレスな対応、がもっとも心地よく感じるのではないか思う。しかし、企業が提供するそれはほとんどが程遠い。企業で働く人達はそれぞれ家に帰ればそれができるはずなのに。。。。。

お客様の本当の満足 (上)

世の中にはなんて素敵な人がいるものだ。
本当に心から素晴らしいと思った。関心した。

10006593170_s

子どものオルゴールメリーのぜんまいが壊れてしまった。いくらまわしても空回りしてぜんまいが巻けなくなってしまった。オルゴールメリーとは、ベビーベッドにつける、赤ちゃんの上でぬいぐるみなどが回るものだ。
これをボランティアで直してくれる方がいらっしゃった。

私は可能な限り何でも自分で直す。リバース・エンジニアリングで(分解しながら仕組みを調べて)直す。
過去に、電熱線が切れた電気ストーブ、水が止まらなくなってしまったトイレのタンク、CDが回せなくなったCDプレイヤー、なぜか風呂場の明かりをつけないと使えない給湯設備、回らなくなった友達の洗濯機など修理してきた。
我が家で使う洋服箪笥、ベビーベッド、棚なども作った。
また、国家資格である電気工事士を持っていることもあって、大学時代に電気工のバイトを2年間していた。
そんなことをするのが大好きだ。だから道具は一揃い持っている。

ということで、オルゴールメリーを自分で直そうと空けてみたが、ぜんまいが収納されているケースが空けられない。
私はネジを回すのは得意だが、ネジがないものはどうやって空けたらいいのかわからない。
そこで修理することを諦め、捨てるのももったいないから、交換できるオルゴールがないか探したり、中古のものでもいいから同じようなものがないかインターネットで探してみた。がない。

続く。。。(今日はもう眠いので続きは明日書きます。)