小山内 裕

「マーケティングの勉強をしようと思うのですが」「マーケティングって何?」

有志が集まってマーケティングについての勉強会を開催しました。業務終了後でお腹もすくので、あらかじめ、おにぎり、サンドウィッチ、お菓子などを買いだしてきました。

・・・ちょうど1週間前、若手くんが「マーケティングの勉強をしようと思うのですが」と私のところへ相談に来たので、「マーケティングって何?」と聞き返しました。
マーケティングのことを勘違いしていたら間違った勉強になってしまうからです。
マーケティングというと広告や宣伝をすることだと思っている人も少なくありません。全然違うということではありませんが、プロモーションである広告や宣伝は、マーケティングのほんの一部に過ぎません。

マーケティングとは諸説ありますが、顧客にとって利益が出るようにニーズを満たすことです。しかも、競争優位に立つためにはユニークにニーズを満たすことが不可欠です。
ドラッカーは、売らずに売れるようにすることであると言っています。また顧客を創り出すことだとも言っています。
米マーケティング協会は、交換を生み出すためのプロセスであると言っています。

プロモーションはマーケティングのフレームワークである4Pの内の1つです。
4Pとは、製品(Product)、価格(Price)、流通・提供方法(Place)、広告宣伝(Promotion)ですが、これらを組み合わせてマーケティングを実施しようというものです。

さて、私の質問にちょっと驚いた顔をした若手くんに私はさらに畳みかけました。「コトラーは知っているよね?」
わからないということなので、オフィスの本棚にコトラーの本があるからそれを読んだらいいよ、と勧めました。
コトラーは現代マーケティングの第一人者。この人の本を読まずしてマーケティングの何を理解できるだろうか!ということで、社内に知らない人もたくさんいるだろうから、勉強会の開催を提案しました。

教科書は、「コトラーのマーケティング・マネジメント 基本編」。

1冊まるまるやると大変なので、「第1章 21世紀のマーケティング」を読んでプレゼンしてもらうことにしました。
これからマーケティングの勉強をしたいというのであれば、第1章ほど重要なところはありません。

目次をみると・・・マーケティングの役割、市場に対する企業の方針、ビジネスとマーケティングはいかに変化しているか、マーケターの反応と軌道修正、といったことが書かれてあります。

みんなで勉強会をしようと提案したときには「えーーー」と、ネガティブな反応をしていた若手くんですが、相当しっかりとしたプレゼン資料を作ってきており、ヘルシアの事例を引っ張ってくるなどわかり易く説明をしてくれました。
しかも、一方的な説明ではなく、参加者に問いかけながら一緒に考えるスタイルを取り、勉強会参加の経験価値も高める工夫もしてました。
参加者も自らた提供する価値について考えるきっかけとなったようで、第1回目 マーケティング勉強会は成功でした。

次は第2章以降と、ケラーですね。

システム開発はチームワークが大事

今日は定例のマンスリー ミーティングがありました。ミーティングでは、全ブックルックチームメンバーが集まり、近況を共有します。

やはり、システム開発はチームワークが決め手です。特にブックルックチームが採用しているアジャイル開発では、チームワークの善し悪しが、結果に大きく影響します。
アジャイル型のシステム開発は、ウォーターフォールのシステム開発と比べれば穴だらけ。書かなくても分かるだろうということで省かれているところが多く、ドキュメントが少ないのです。
だから、わからないことは他のメンバーに聞かなければなりません。また、聞かれたらうまく説明し、場合によってはガイドしてあげなくてはなりません。

やはり、助け合ってシステム開発をやり遂げた時の充実感は相当なものがあるでしょう。
今月も大型案件のローンチが控えています。戦いの前の束の間の時間を楽しみました。

さて、そのミーティングの後、毎回ピザパーティーを実施しています。
「もうそろそろ、ピザじゃないものがいいんじゃないか」と言われながらも、ピザで押し通しています。
なぜなら、ピザを前にして断る人は誰もいないからです。それどころか、ついつい手を伸ばして食べてしまっています。
ビールで食欲が刺激されたこともあるかもしれませんが、みんな結構ピザが大好きです。

マンスリー ミーティングの後のピザパーティー。ビールもグビグビッ!

変化の激しい時代のリーダーシップ

今月のMonthlyの全体ミーティングでは、不確実性が高く、変化の激しい状況下のリーダーシップとはどんなものだろうか、とみんなで考えてみました。

リーダーは人をまとめ、引っ張っていかなければならない、という誤解」でも書きましたが、リーダー1人の能力だけで、メンバーをグイグイ引っ張っるというスタイルは不向きであろうと考えます。

例えば、高度経済成長期は右肩上がりに成長していたので、規模の経済を求めることで利益を拡大することができました。今と比べればずっとシンプルな環境だったので、予期せぬ事態が発生することは少なかったでしょう。まずは誰よりもいち早く突き進んでいくことが成功の条件であったと言えます。

今は不確実性が高く、変化の激しい時代、つまり多様な出来事が多発するということです。これを察知するには、やはり多様な能力、知識、経験、感性が求められます。どんなにリーダーが多才であっても、環境の変化に1人で対応することには限界があります。1つのことだけでも深い専門性が問われます。
各メンバーはプロフェッショナルである必要があるのです。

だからこそ、メンバー1人ひとりが重要な役割を果たすことが求められます。
メンバー1人ひとりが四方八方だけでなく上下にもアンテナを張り続けることが求められます。
ですから、リーダーは、メンバーが力を発揮し易いように環境を整えることが必要です。
仕事の進め方について助言したり、困っていることがあれば手助けしたり、足りないものがあれば代わりに調達したり・・・・。
とにかくメンバーがスムーズに前進できるように、周辺の障害を取り除き、必要なものを事前に用意することがリーダーシップの代表的な活動になります。

リーダーは人をまとめ、引っ張っていかなければならない、という誤解

昨日あるチームのリーダーが休んだ。別チームへ異動したFさんが引継ぎのためまだそこにいたのだが、冗談半分で
「(昨日休んだリーダーが)今日も休んだら君がリーダーをやれ。異動は取り消す。」
と私が話すと、Fさんは、
「僕にはリーダーはできません。みんなをまとめられません。」
と言った。

私はそれは奢った考えではないだろうか、とFさんに問いかけた。
リーダーはメンバーをまとめようとか、引っ張っていこうとしなければならないのだろうか。

世の中にはリーダーと呼ばれる人たちがたくさんいる。
そういうと真っ先に思い浮かべるのは、書籍で紹介されたり、メディアに取り上げられたりしている偉大なリーダーたちであろう。
最初は1人でも、理念に共感する者たちを集め、次第に大きな組織を作り上げ、世の中に広く受け入れられるに至る・・・のような。
しかし、それは世の中のリーダー像を代表していない。
手本としたい、目指したいリーダーたちだろうが、私たちの身近な多くのリーダーではない。
そして結果を出しているのは、偉大なリーダーだけではない。私たちの身近なリーダーたちも結果を出している。
必ずしも結果は偉大である必要はない。一定の結果を出せればリーダーとして十分である。

私たちは偉大なリーダーではない。身近なリーダーだ。
そんなリーダーも、メンバーをまとめようとか、引っ張っていこうとしなければならないのだろうか。
私はそうは思わない。リーダーとしての仕事の1つに数えられるかもしれないが、必須ではない。
Fさんは無意識のうちに偉大なリーダーをまねようとして、あたかもリーダーはそうしなければならないと考えていたのだろう。

Fさんに尋ねると、北風と太陽の話しを知らないというので簡単に話してあげた。

コートを着込んだ旅人が歩いていた。
それを見た北風と太陽が、どちらがコートを脱がせられるか、力比べをしようということになった。
北風は旅人のコートをはぎ飛ばしてやろうと強い風を吹き続けた。
旅人はコートを飛ばされまいと、グッとコートの襟元を握りしめ、強風に耐え続けた。
次は太陽の番。
太陽は暖かい日差しを旅人に投げかけた。
旅人は汗をかき始め、自らコートを脱いだ。
力ずくで思い通りにさせようとした北風が敗れ、温かく見守っていた太陽が勝利したという話である。

リーダーシップとは、「人に影響を及ぼし、(リーダーにとって)望ましい方向の行動をとらせること」である。
北風と太陽の例では、コートを脱がせることが「望ましい方向の行動」であった。
人は、強風よりも温暖を望み、リーダーの期待する行動をとるというのである。

組織にリーダーは必要である。だがリーダー全員がメンバーをまとめたり、引っ張っていけるものではない。
リーダーはメンバーをまとめようとしたり、引っ張っていこうとしなくとも結果は出せる。
リーダーとは先導者。引っ張る牽引者ではないし、まとめる統制者でもない。
何をどうすればいいのか背中を見せるだけでもいいのである。