約束の時間

定期的に会っている、ある方がご自分のご子息のことをお話しした。
そのご子息は会社を経営しているのだが、信用を得てそれなりにうまくやっている、ということをご子息の会社の同僚から聞いた、という話である。
その同僚によると、約束は必ず守る、ということがうまくやっているひとつの理由のようである。
「約束は必ず守る」とは至極当たり前に聞こえる。

私はその定期的な会合において、だいたい5分くらい遅れて行っていた。時に、直前になって20分くらい開始時間をずらしてもらったこともある。それは場所がバスや車でないといけない場所なので、なかなか時間が読めないからであった。早めに出たつもりでも渋滞のため遅れることがしばしばであった。

そんなときに聞いた話しであった。
納期の時間だけではなく、待ち合わせの時間にも絶対に遅れないというのである。一見当たり前の「約束は必ず守る」ということであるが、実は容易ではない。

その時から、自らの行動をレビューし修正をかけた。
社内のプロジェクトで、それほど重要な要素ではなくとも、1秒の遅れも自分に許さず、必ず納期は守るよう心がけた。予期せぬ事態で、十分言い訳が通用する状況であっても、納期を死守すべく最善を尽くした。
もちろん、会合においても常に時間通りの開始を徹底した。

こうやって改めて書いてみると、当たり前のことである。しかしながら、それは楽ではなかった。恐らく、それほど時間に厳しい人でなければ、5分、10分の遅れは気にもしないだろう。
でも、「約束は必ず守る」活動を続けて3ヶ月ほどして、私の約束に対する信頼が付いてきたことを実感した。また、私が約束をするということは、次に続く作業を担当する人にプレッシャーになったようである。

100%約束を守ることは、100%の信頼獲得の最低条件。
ということであれ以来、時間は厳守である。それでも、どうしても時間に遅れてしまうことがある。そのときは相手の貴重な時間を無駄にしてしまったと、本当に申し訳なく思う。