小山内 裕

私自身のイノベーション・プロセス

今度の火曜日にMBAのクラスでプレゼンをします。
ただいまその資料作成がほぼ終わりました。

5連休ももうほとんど終わりです。休日中にガーと進められると甘く考えておりましたが、かわいい妻と子にせがまれ結局毎日外出しております。
1日の内に10分、20分とちょこちょこと本を読む時間はありますが、集中してできる時間は、子どもを風呂に入れ終わり夜12時過ぎから3時くらいまでです。
それが毎日私のゴールデンタイムです。

ちなみに、プレゼンの素材は、ジョー・ティッド/ジョン・ベサント/キース・パビット (後藤晃/鈴木潤 訳) 『イノベーションの経営学』 NTT出版 です。
イノベーションは複雑、不確実でほとんどマネージ不可能だが、それでもいかにしてマネージするか、がテーマ。
1週間くらいかけてようやく読んだところで、関連する次の書籍をあさり、ようやくまとめたところです。
野中郁次郎/紺野登 『知識経営のすすめ』 ちくま新書
原田保 『場と関係の経営学』 白桃書房
伊丹敬之 『場のダイナミズムと企業』 東洋経済新報社

『イノベーションの経営学』は結構おもしろかったですね。私は本当にビジネス書といいますか、経営に関する本を読むことが大好きです。
読んでいるとワクワクしてきます。時々涙が出そうになることもあります。(変ですか?)
経営は、人に深く関わるものです。そしてこういった本は人に関する多くの気付きを与えてくれるからです。。
そしてさらに会社に行って実戦をします。私の理解が深ければ、他の人にうまく理解してもらえますし、うわべだけの理解では他の人にまったく理解してもらえないですね。
MBA取得後は経営ができるようになっていることが目標です。だから机上で学ぶだけでなく、会社の場で実地して、フィードバックをもらいながら実力を身につけていこうと思ってます。また、多摩大学でのクラスや人のつながりも重要なリソースですから、それらを上手に活用していきたいと思っています。これらは家族の理解と支えがあって成り立つものですから、家族は一番にしています。
それが私自身のイノベーション・プロセスですね。

金融資産の運用は、リスクの管理

長年のちょっとしたモヤモヤが解決しました。
「標準偏差」という単語は事あるごとに耳にしてはいましたが、どのように使うものなのかわかりませんでした。
それを簡単に説明すると、正規分布している全データの66%に納まる範囲がわかります。

私にとって興味深かったのは、例えば過去1ヶ月間の株価から明日の株価を予測することです。しかもその的中率は66%(3分の2)です。

二村先生は、「金融資産運用はリスクの管理だ」とおっしゃっていました。株式投資でよく聞くのはポートフォリオを組むとか、長期投資でリスクを軽減するとかありますね。今回は、売買する価格を標準偏差を使って予測してみましょう。

10006299534_s(1) Daily毎の上昇率を算出する
(2) (1)で算出した結果の平均値を算出する
(3) ExcelのSTDEVP関数を使って標準偏差を算出する
そのとき指定する範囲は(1)で算出した結果全て
(4) (3)の結果に(2)の結果をプラス
(5) (3)の結果から(2)の結果をマイナス
(6) (4)と(5)は上昇率なので、前日の株価に掛けて予測値を算出する

統計的に、2/3の確立で(6)の結果の範囲内に納まるといえます。
幅が広いので当然とお思いでしょう。しかしこれは使いようです。買うならばこの下値で、売るならば上値で取引できる
可能性が66%ですから、”うまくいけば”一日で利益が出せるわけです。

10006299542_sでは、コロワイドで試してみましょう。
前日16円値上がりしています。妻にチャートを見せて翌日買うならいくらで買うか聞きましたら、940円と答えました。前日の安値と同じです。
私はカレントが変わった2/23から4/28のデータで計算し、前日の夜に931円を指しておきました。で、実際はどうだったでしょうか。

前場972円まで上げましたが後場に926円まで下げ932円で引けました。高値で買ってしまう、というリスクは回避できたと思います。
どの範囲のデータを使うか、計算した結果をどうみるかはまだまだ訓練が必要ですね。

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自分の中のリミッター

いいものを見つけました。

田坂先生は私が通う大学院の教授です。
田坂先生の講義では遅刻早退欠席は一切認められません。毎週レポート提出があります。3時間の講義中は休憩時間はありませんし、飲食は厳禁です。私は仕事上、毎回遅刻早退欠席しないという約束できないということと、厳しそうだという理由で履修しておりません。
しかし、田坂先生のサイトにある「風の便り」を読みまして、私の思い込みによる認識を改めました。

できない理由は誰でも考えつきます。不可能を可能にすることは誰でもできることではありません。
せっかくすばらしい先生の講義を受けられるチャンスがあるのだから、そのチャンスを利用しない手はないと思いました。
来年は、会社の上司部下に今年のうちからネゴなどして出席できるようにがんばろうと思いました。

さて、「いいもの」です。
私はこれを友人知人仲間に紹介しました。それぞれのコンテクストで読むと、心に入って出てくるものが異なるようです。


田坂広志 風の便り 第183便

頂上をめざす友

若き日に、登山をしていました。

ある夏の日、友人と計画を立て、
ある山の頂をめざし、
互いに別の山道から登ることにしました。

暑い夏の日差しの中、蝉の声を聞きながら、
足場の悪い山道を登り始めると、
まもなく、全身から汗が流れ始めます。

その暑さの中、重い荷物を背負い、
一歩一歩、足を踏みしめながら、
急な山道を登っていきました。

ときおり、荷物を降ろして休み、
汗をぬぐいながら森の彼方を眺めると、
別な山道を登ってくる友人の姿が
心に浮かんできます。

彼も、いま、この厳しい山道を
重い荷物を背負って、登ってくる。

その友人の姿が心に浮かぶと、
また、登り始める力が湧いてくるのでした。

その日の夕方近く、
少し早く山頂に辿り着いた自分が休んでいると、
遠くの稜線に、別の山道を登ってきた友人の姿が、
現れました。

その山頂で、二人で眺めた夕日が、
いまも、心に残っています。

そして、なぜか、
その遠い夏の日の想い出は、
いま、仕事の世界を歩んでいる
友人たちの姿と重なるのです。

若き日に、理想や志を語り合った友人たち。
彼らも、いま、
若き日に見上げた山の頂をめざし、登り続けている。

その数十年の歳月をかけた登山において、
我々の心を支えてくれるのは、
ただ一つの言葉。
いつか、山頂で再会。

(「田坂広志 公式サイト「未来からの風フォーラム」 http://hiroshitasaka.jp/ より)

人の「知」を生かしてこその成長

今日も感動しました!やっぱりこれは先生方に情熱があるからでしょうね。
今日のMBAクラスは紺野先生のknowledge Based Management。

正直今日はもうかなり疲れていました。昼も休むことができずに働き尽くしでしたから。クラスの部屋に入って席についたとき、今日はちょっと流していこうかな、と考えていました。
でも徐々に話題に引き込まれていきそして見つけたのです。

雇用形態、年齢などにとらわれることなく人の「知」を活用することが企業を成長させると。

SECIモデルをセブンイレブンの事例に照らして確認しました。
セブンイレブンでは、機会損失は悪であると。せっかくお客様が店舗まで来られたのに買いたい商品がおいていなかったというのは何事だ、と。
では各店舗の商品を、誰が、いつ、何を、いくつ仕入れるのか?

そこで観察してみると商品の補充にSECIモデルが当てはまる。
例えば、パートのおばちゃんが「明日そばの小学校で運動会があるからお弁当は多めにしよう」と仲間に相談したり、近似する店舗のデータを参考にしたりして数を決める。これは「運動会がある」という暗黙知を仲間と共有して、話題にすることで表面化し、知を連結して結論を導き出し発注する。そしてその結果が正しかったのかどうか、今後はどうすればいいのかと、相談しあった仲間に内面化される、というもの。

また、お菓子は女子高生の方が「知」をたくさんもっているだろうから発注する数量はある女子高生に全部任せてしまう。そうするとその女子高生は学校に行ってお菓子の話をしてそれぞれの「知」から、このお菓子が売れそうだとか仮説を店舗にもってくる。そこでやはり店舗の仲間と相談して発注する。
その女子高生は次にお客をよく観察するようになる。ここにくるお客は何を一番求めているのだろうか、と。そしてお客のwantsをneedsに変える。

ここで期待されているのは、そこで働くみんなのコンテクストだ。コンテクストは同じ物を見ても人、場所、時間が異なればそれも変わる。そしてそこからイノベーションが生まれる。
同じことは決して他社には真似はできない。

んー、跳躍してて伝わらないかな。。。