今井賢一・金子郁容 『ネットワーク組織論』 岩波書店
約20年前に書かれた本だが、今でも十分通用する非常にいい内容だと薦められたので買って読んでみた。
「プレゼンは戦略をもって 」で紹介した、ジョー・ティッド/ジョン・ベサント/キース・パビット (後藤晃/鈴木潤 訳) 『イノベーションの経営学』 NTT出版とも通じる内容で興味深かった。
networkorg ネットワークというコンテンツの上にコンテクストを見出せるというもの。
組織は必要に応じて伸縮性のあるネットワークでもってコンテクストをつくりだす。誰もが予期しなかったネットワークにより、市場の均衡を破壊し、生産活動が行われ、古いシステムが駆逐される。
組織は取引コストを節約するために情報を内包したり、情報を持つ別の組織とネットワークを結ぼうとするが、市場にある情報は動的に変化してしまう。しかし、そのネットワークの上にメッセージが乗ることで、シナジー効果が発生する。
これは、『イノベーションの経営学』 に出てくる「外部とのリンケージ」と同じだと思った。
また、ネットワークの中心に発生したパワーがリーダーの源泉。パワーが適切に使用され、メンバーが承認したときに、それまでの水平的な関係が垂直的な関係に転化したことを意味するというところも、「あーなるほど」と思った。