「のだめカンタービレ」めちゃくちゃおもしろい。毎回ワクワクしながら観ていますよ。
このドラマの面白さは組織論にある!社会に出れば多くの人が経験できることを象徴的な物語であらわしている。
見ている人をワクワクさせたり、感動させるのは、登場するオーケストラのチームワーク、そこにいる人達の関係ではないでしょうか。みな、それぞれ問題を起こしたり、問題を抱えながらも、生き生きと、楽しそうに、やる気をもって演奏している。充実しているメンバー達。
毎日こんな風にして仕事ができたら幸せではないでしょうか。この秘訣はどこにあるのでしょうか。
(モチベーション)
あなたは仕事に対するやる気は何から湧いてくるだろうか。
やる気(動機付け)の源泉は外発的なものと内発的なものに分けられる。
外発的動機付けとは、お金、物品、役職など外(他人)から与えられるものである。
内発的動機付けとは、本人の考えや気持ちなど自発的にやる気にさせるものである。例えば、仕事そのものが楽しいとかやり遂げたときに充実感を感じるなどである。
外発的動機付けとして満足するだけの給料を上げ続けることにはすぐに限界が訪れるが、内発的動機付けは自己生産し続けるため長期的に及びやすい。ただし、せっかくのやる気を削ぐようなことがなければ、である。
「のだめ・・・」では、一部の優秀な演奏者たちが間近に控えたコンテストでの優勝、また大家に認めてもらいたいという外発的動機付けにより、オーケストラでの練習もそこそこで個人練習に時間を割いた。結果、ある女性は2位で周りから祝福されながらも、1位がとれなかった失望感で一杯であった。一方、その後のオーケストラの練習では指揮者の描く音楽のイメージに触発され、自分の心の内から演奏することの楽しさを味わう。コンテストのときよりも楽しく、やる気をもって生き生きと演奏する姿が描かれている。
また、別のメンバーは、コンサートのポスターに書かれたその人の名前の前に付けられた褒め言葉に近づこうと自らやる気を奮い起こし、練習に腰を入れ始めた。
(リーダーシップ)
オーケストラでは指揮者がリーダーである。優れたリーダーシップとは何であろうか。多くのリーダーシップ論で共通しているのは次の2点である。1つはチームを取り巻く環境づくり。2つめはメンバーへの配慮である。
「のだめ・・・」では、指揮者はオーケストラを取り巻く環境づくりとして、曲の理解に寝食を忘れて取り組み、それをメンバーに真剣に伝えようと努力する。そういった行動を通してそのオーケストラが目指すべき方向性を示す。メンバーは迷いなくそのベクトルへ向かって行く。あれこれ周りを気にすることなく練習に取り組む。
メンバーへの配慮としては、信頼を寄せ、メンバーの気持ちを大切にしている。あるとき楽譜通りに演奏しろ、メンバーの個性は入れるな、それで十分だと言っていたことがある。メンバーは納得はできないながらも言われた通りにした。そうするとその指揮者が思っていたものとは全く違う「気持ちが悪い」オケができてしまった。また、メンバーはそのオケに愛着は持っておらず、ただ楽譜通りに演奏するだけとなってしまった。これを契機に指揮者は考えを改め、個人を尊重してリードするように変えた。そうしたら、メンバーは自らのオケに愛着と誇りを持ち、非常に躍動感あるオケができた。
もう一つ注目したいのが、このリーダーとメンバーのインタラクティブな関係である。
リーダーシップはあたかも優秀なリーダーがチームの成果を引き出すように論じられるが、実際にはこのように、メンバーシップもリーダーシップに影響を与えているし、リーダーシップがメンバーシップに影響を与えている。
私は、リーダーシップよりも、このリーダー・メンバー・シップこそがチームの成果を引き出す鍵であると考えている。
↓読みやすい本ですよ。