バーニー 『企業戦略論(上)基本編』 ダイヤモンド社

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VRIO Frameworkを使って企業のResourceを評価すると言う内容です。

非常に簡単ですが、要約すると次のようになります。
企業のResourceは次の4種類に分類できる。Financial capital、Physical capital、Human capital、Organizational capital。
それぞれのResourceをVRIO(Value、Rarity、Inimitability、Organization)に基づいて評価する。これにより、StrengthとWeaknessを見つけられる。
ポーターのSCPロジックに基づいたOpportunityとThreatは補完的に利用する。
以上より、Strengthを利用した戦略、Weaknessを補う戦略を立案する。

ポーターとバーニーの違いは、ポーターは外部環境からのアプローチであり、バーニーは企業内部からのアプローチ(RBV: Resource Based View)で戦略を立案するという点だろう。
バーニーは、現在のような変化の激しい環境において、ポーターのSWOTや5つの力による特定の業界内における分析だけでは限界があるといっている。

ここからは私見です。
資本の調達が容易になってきているポスト産業資本主義では、Financial capital、Physical capitalは強みにはしにくいでしょう。そうすると、Human capital、Organizational capitalに強みを見出していかなければなりません。
一方、人材の流動化がますます進み、ナレッジワーカーがより高度になっていくことを考慮すれば、Human capitalをいかに自企業に固定するかが課題となるでしょう。
Organizational capitalはまねできない最強の強みになると思います。
組織文化のクローンは絶対に作れません(by Schein)から、好業績につながる協力な組織文化を形成していくことが今後の最大のテーマになりませんでしょうか。

ポスト産業資本主義、ナレッジワーカー 、組織文化については後日補足したいと思います。