サービス・ドミナント・ロジック by 藤川佳則

「サービス・ドミナント・ロジック 『価値共創』の視点からみた日本企業の機会と課題 」と題した、組織学会の定例会に参加してきました。

改めて考えると新鮮なものです。確かに、現在のビジネスはその価値を強調し、販売する比率が高まっています。
しかしながら、日常の業務の中ではついつい忘れられてしまいがちではないでしょうか。

私の仕事における価値は、企業の生産性向上です。顧客としての企業が生産性を向上させるには、企業の主体性が不可欠です。
つまり、価値を提供する側と同じくらい価値を受け取る側も価値を提供する、ということが大きな成功を導くわけです。

最後に、OECD諸国の中で平均以下の生産性である日本ですが、その復活の手がかりは、この「サービス」にありそうです。
米国と比較すると顕著ですが、生産性とサービスが生み出す付加価値が相関しています。

だからといって、日本のサービス品質が低いというわけではないでしょう。サービスは昔から提供されています。
サービスの表現、認識、価値付けが課題でしょうか。

以下、私のレジュメです。
藤川先生のご研究を拝聴して、私なりの考えが付け加えられておりますことをご了承ください。
つまり、藤川先生の内容はきちんとした研究に基づいたものであり、私の考えは私個人の経験的なもので裏づけがされておりません。

[Fact]
まず、周知のことであるが、次の3つの事実がある。
・成熟とともに、第一次産業から第三次産業へ
・GDPに占めるサービス産業の割合は、先進国の中で日本は最も低い。
・日本は、ほとんどの産業でサービスの割合が米国の60~80%程度
*サービスの生産性を示す指標の多くは、その質については含まれていない場合が多いので注意。

[課題]
日本における課題は、製造については海外売上高比率は高まっているにもかかわらず、非製造については減少傾向である。
このサービス グローバリゼーションにおける課題は、日本のサービスの質が低いからではないだろう。
言語、価格、イノベーション等の問題が考えられる。

[サービスの特徴]
サービスの特徴は、同時性、消滅性、無形性、変動性が高いことである。これは「知識」に共通する。

[サービスの提供]
いかにサービスを提供するか。それは、Marketing、Operations、Human Resourcesを統合して顧客に対応することである。
マーケット---
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[サービス経済の基本論理]
「サービス」を考える場合、次のように考えてみるとよいだろう。
・モノはサービスを提供する手段。
・顧客は、価値を共創する主体。客体にとどまらない。
・企業は、価値を提案する。価値を規定するのは顧客。
例:「我々が売っているものはドリルではなく、穴である」 by ドリルメーカー
例:asics。足のサイズ、バランス、走り方などを計測することで、最も適したシューズを販売。さらにそのシューズを購入したあとの提案に力を注ぐ。