インド 有名プログラミング書籍は有名か

昨年から今年の3月にかけて 『Let Us C』 (邦題 『インド式プログラミングバイブル C言語入門 (上)』 )というCプログラム言語の書籍の日本語訳をした。ヤシャバント・カネットカールというインド人が書いた本である。

インド式プログラミングバイブル C言語入門 (上)/Yashavant Kanetkar

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これは、インド ITエンジニアではCプログラミングのバイブルであり、100万冊以上が販売され、大学や専門学校の教科書に使われているという。さらに、就職試験の出題はこの本からだされることが多いという。

たしかに、わかりやすい内容になっている。多くのプログラミング書籍が省略する、プログラム上では当たり前の、しかしながら重要なことがきちんと書かれている。実際に、この本を翻訳するにあたって巷に出ているプログラムの書籍を研究したが、売れている本はその点がもれなく掲載されている。

また、一度プログラムを勉強した方で、配列やポインタなどがわからずに断念した経験があるのであれば、再度チャレンジしてみて欲しい。丁寧な説明がされているので理解できると思う。確かに、プログラミングをするにあたって、細かいルールがたくさんある。でも、この本はそのことに触れながらも、難しさを感じさせない。とりあえず、こういうルールがあるんだな、という程度で頭の片隅に置いておいても、進められるようになっている。

さて、最初に、この本はCプログラミングのバイブルだと書いたが本当だろうか。
それを確かめるべく、職場のインド人たちで確認してみた。まず、翻訳した本を片手に彼らの前を歩いてみた。するとすかさず興味を示してきた。「何でそんな(インドの)本を持っているのか」と聞かれ、日本語訳された本であることを伝えると、「おー日本語もあるのか」と驚いていた。別のインド人はパラパラとめくりながら「イッツ ベリー フェイマス(とても有名な本だからな)」と言った。
この本は誰でも知っているのかと聞くと「ほとんどの人が知っている」と、そして就職試験にもでるのかと尋ねたら「そうだ」と言っていた。

確かに有名であることは確認できた。
すごい本を翻訳したんだな、と改めて思った。