不眠症と企業との関係

コンピュータ、インターネットの普及とともに、平均睡眠時間が減少しているという。さらに不眠症を訴える人が増加傾向にあり、薬の宣伝もされるようになった。しかし、不眠症に対する理解はまだ低いように思われる。
不眠症は、交通事故、重大な労働災害、うつ病、心筋梗塞につながるから軽視してはいけない。

不眠症とは眠れない病気ではない。実際には眠らなければならない時に目が覚める、眠ってはいけない時に睡魔に襲われる、という病気である。
不眠症には4つの種類がある。「夜になかなか寝付けない」、「寝ても眠りが浅い」、「夜中に何度も目が覚める」、「早朝目が覚めてその後眠れない」というものである。さらにすべてについて共通で、本当の問題は、朝方や日中に眠くなってしまうことである。
たとえば、日中会社でどうしても眠くなってしまう。だから夜眠らないといけないがなかなか眠れない。12時くらいに布団に入ってもなかなか眠れない。そうこうしているうちに夜が明けて、5時、6時くらいにどうしようもないほどに眠くなる。それで寝て起きると、遅刻寸前であったり、遅刻してしまう。そして会社でまたどうしようもなく眠くなってしまう、というものである。

不眠症と「うつ」は、両方とも、周囲の人は「がんばれ」などと言ってはいけない。
本人は辛いので、なんとかしようと努力し尽くしているケースがほとんどだからである。むしろ、がんばらない方がいい。
薬もあるがそう簡単ではない。薬を飲んですぐに眠れるわけではないし、場合によっては朝に起きられなくなってしまう場合がある。
不眠症は精神的なものが原因であることが多いようで、生活習慣を変えるとか、眠る前に本を読むとかですぐに解決できるものではない。やはり、その原因となっている「気持ち」の部分が解決されないといけない。
ところで、寝る前の飲酒、テレビ、パソコンは覚醒の原因であることは確からしい。

さて、会社でのストレスや責任に対する重圧がきっかけとなって、不眠症を引き起こすケースがある。本当に重症であれば、職務を変えるとか、職場を変えることが必要であろうが、それでも本人はなかなか受け入れがたいであろう。なぜならそれは、降格にも匹敵するし、環境の変化を乗り越えるのも容易ではないと推測されるからだ。
残念ながら、特効薬がないのでここでは結論がない。
ただし、企業として(現実的には上司が)、不眠症の従業員をどう扱うか改めて考える必要がある。
「不眠症は本人の問題で会社は関係ない」、「いかなる理由があろうとも居眠りするのはダメだ」、「人は入れ替えればよい」という考え方をするのか、そうではなく、問題を主体的に捉え、少なからず原因は会社にもあるのだから一緒に解決しようとするのかということである。
従業員の能力を十分に発揮させたないならば、まずは不眠症をよく理解した上で後者の対応をすることが望まれる。

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