組織力強化のための組織デザイン

調布の桜がちょうど見ごろを迎えそうな4月1日、私たちブックルックチームは5月から始まる新事業年度に向けた新体制をスタートさせました。
組織デザインを見直した理由は、情報共有とリーダーシップ育成の仕組みを作るためです。

ブックルックチームのメンバーは前年同月比で2倍以上に増えました。お客様のニーズに応えるために毎月数名ずつ増員してきました。その結果、得意分野を持ったタレントが増えたことで総合力が高まりました。つまり、カバーできる面積が広がり、それぞれの分野での深さが増したのです。
しかし、新たな課題も生まれました。

それは、情報共有とリーダーシップの2つです。
ブックルックチームでは実行性とスピードを優先するために、システム開発はプロジェクトマネージャーを中心としたチームを構成し、デスクもコミュニケーションコストを削減するためにプロジェクト単位でまとめていました。
小さな開発プロジェクトが2~3の規模であれば、必然的にデスクも1島だけで済みますから、SECIモデルでいう暗黙知が共有され易いため、情報共有は意識しなくても自然となされていました。だから皆「聞かなくても知っている」という状態でした。

SECIモデルは、野中郁次郎先生らによる世界的にも広く知られたナレッジ マネジメントの1モデルです。情報とは、文書のように目に見えるものだけではなく、言葉にさえできないものもあります。そういった暗黙知について先行研究で認識はされていましたが、SECIモデルの素晴らしいところは、その暗黙知が形式知となり、また形を変え暗黙知となることが繰り返される様を見出したことです。

さて、大小10近くのチームになると、メンバー間のデスクの物理的な平均距離は長くなり、暗黙知から始まるナレッジの誕生と供給が細り、よって形式知も不足するという状態が目立つようになりました。
特に苦労したのはプログラミングを行う開発メンバーです。組織が小さいうちは、開発しながらでも情報が後ろから聞こえてくるため、SECIモデルに自動的に参加していたのですが、机が離れたことで、意識的にSECIモデルに参加しようとしなければ情報共有ができなくなくなりました。
簡単に言えば、ミーティングをわざわざセッティングしなければならなくなったのです。しかし、ミーティングでは暗黙知は削られ、形式知だけがやり取りされるため、いくら回を重ねてもSECIモデルは動き出しません。

課題の2つめは「リーダーシップ」です。
ブックルックチームでは、風通しを優先してフラットな組織形態をとっています。それに加えて前述のとおり、システム開発が終われば解散するという短期間のプロジェクト単位のチームでした。そのため、リーダーが生まれにくい環境でした。これは敢えてとった方法でもあります。
さらに、変化の速い環境ですから、ドキュメントはほとんど揃っていません。ドキュメントを作成しても、あっという間に変わってしまうからです。
そのため、各メンバーが持っている情報量は、会社の在籍期間に比例するようになります。
その状況でリーダーを決めるとなれば、会社の在籍期間の長いメンバーになるのが自然であり、またその後、リーダーに仕事が集中するため、情報量格差が広がる一方となります。
せっかく優秀な人材がブックルックチームにジョインしても、圧倒的に情報が不足する中で、総合的な判断を下すことは相当困難であり、リーダーを務めるにも限界がありました。
そこで、守備範囲をプロジェクト単位から職能単位にし、特定分野において集中的に職務を全うできるようにしたのです。

しばらくこの体制で改善を進め、効果を測定していきたいと思います。

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